アベノミクスを阻むものは何か? - トランプ勝利も、英国EU離脱も予測した─大川隆法の未来分析2020
2017.07.23
消費税による「アベノミクス失速」を予想
次に、日本経済の見通しについて。
大川総裁は安倍政権が誕生する前から、いわゆる「アベノミクスを先取る」かのような提言をしている。
2009年7月には「 幸福実現党は、『三パーセントぐらいの経済成長を目指す』と言っていますが、インフレターゲットを設けているわけです 」(『 幸福維新 』所収)と、現在の日銀の「異次元緩和」に当たる提言をした。
そして2010年には「 まず、通貨の供給量を増やすことです。とりあえず『人工インフレ』をつくるしかありません (第一の矢)。 消費税廃止だけでは足りないので (第二の矢)。 そして、インフレを起こしたあと、経済が実体を伴うために、新しい資金の供給に見合った産業を育成することが大事です (第三の矢)」(『 危機に立つ日本 』所収)と、「アベノミクス(旧)3本の矢」の原型を提言している。
実際、2012年に誕生した安倍政権は、その「三本の矢」を掲げ、「第一の矢」である「金融緩和」を行って、株価を大きく上昇させた。
しかしその後、消費税率を8%にまで上げることが決定される。税率が上がる直前の2014年1月、株価は1万5千円前後まで上がっていたが、大川総裁は次のように述べ、「まだ本物の景気回復になっていない」と指摘した。
「 株式の全体の平均は上がっているものの、基幹産業系が、それほど回復していないところが大きいと思うのです。 (中略) おそらく、今、平均株価が上がっているのは、お金が大量に出てきているにもかかわらず、使い途がないので、そのお金を押しつけられた金融機関あたりが企業の株を買っているか、あるいは、機関投資家等が買っているからでしょう。そのくらいのことです。本当に企業業績がよくなって株価が上がっているわけではないというところを、見落としてはいけません 」(『 忍耐の時代の経営戦略 』所収)
そして、その段階での消費税率上げは、「 『アベノミクス』潰しの挙 」として失敗を予想した。
実際に、政府がデフレ脱却の目安として目標としていた「物価上昇率2%」は、未だ達成される見込みがない。それどころか、総務省が発表する「2人以上世帯の消費支出」は、5月時点で15カ月連続の前年同比マイナスになるなど、景気は明らかに失速している。
アベノミクス、「消費税」の次の敵は「金融機関の信用」
では、今後の日本経済の見通しはどうか。
大川総裁は、アベノミクスにはさらにもう一つ課題が出てくるとして指摘する。
それは、1990年代の、金融機関による"貸し剥がし"の後遺症だ。
「自己資本を充実し、不良債権を引き揚げろ」という名目の元、各中小企業から融資を回収したため、倒産や経営者の自殺が相次いだのだ。大川総裁はこう分析する。
「 銀行から『お金を貸しましょう』と言われても信用できないし、銀行自体も、自分たちのことでさえ、いつどうなるか、信じられないでいるのです。 (中略) まず、金融機関にもっと信用をつけなければなりません。その法則を編み出さなければ、次の道は開けないのです。 (中略) アベノミクスに付け加えるとすれば、次のステップはここでしょう 」(『 地球を救う正義とは何か 』所収)
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