情報をお金に変える技術 - 各界のプロフェッショナルに聞く
2015.12.24
2016年2月号記事
各界のプロフェッショナルに聞く
情報をお金に変える技術
メディアの形は進化し続け、情報の量は増え続けている。便利な反面、その情報をどう消化すればいいのか。メディア、営業、コピーライター、経営など、各界のプロフェッショナルの情報術の共通点を探った。
(編集部 馬場光太郎、山本泉、冨野勝寛)
インターネットのニュースを読みながら、ついつい「お堅い」記事を避けていないだろうか。
セルビア共和国のコソボ自治州が独立を宣言した2008年のこと。世界的な民族紛争の「ひと区切り」を、各新聞は一斉に一面で報じた。
日本を代表するウェブメディアとなっていたヤフートピックスももちろん、このニュースを取り上げた。
しかし、この記事のアクセスは全体の2%程度だった。アクセスが多かった記事は、「阪神の岡田監督が、練習試合に負けてお怒りだった」というもの。
この業界で、アクセスを集めるテーマと言われているのは、「突っ込みどころがある」「テレビで紹介された」「芸能人関係」「お色気」「美人」など。読者にとって、真に価値ある情報とは言えない。
メディアの「時間争奪競争」
それでも、このアクセスを集める記事が、ネットメディアの経営を支えている。その収入源は広告費。記事のアクセス数に応じて入ってくる。
情報産業の基本は「読者に、価値ある情報を売る」ことのはず。しかし、ネットメディアは多くの場合、「読者の時間を奪い、広告主に売る」というビジネスモデルとなっている。
各社の"企業努力"は、刺激の強い記事をつくり、刺激の強いタイトルをつけること。
ベテラン記者が丁寧な取材と深い洞察によって書いた記事よりも、内容が薄くても刺激的な記事が、多くのアクセスを稼ぐことも多い。
読まれればいい。その記事が、読者の見識を上げ、生活を豊かにするかどうかは、問われない。
これが情報が無料で得られる、情報社会の"繁栄"の裏側。各社が一斉に「読者の時間争奪競争」をしているのだ。
その結果、東京では、1日6時間以上メディアに接触する人が、半数に迫っているという。
「スマホ依存症」といった悪影響も広がっている。
各界のプロに聞いた 一流の情報収集には共通点がある
インタビュー 杉江義浩氏, 長谷川千波氏, 川上徹也氏, 小宮一慶氏, 石角完爾氏,
情報がお金に変わるまで
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