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米国防総省は、米軍が先月行ったイラン核施設3カ所への攻撃について、イランの核開発計画を「1~2年遅らせた」との見解を示し、成果を強調しました。
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米軍は6月22日に、イランの核施設があるナタンズ、イスファハン、フォルドゥの3カ所を爆撃しました。これを受けて中東情勢が緊迫化しましたが、直後に、イスラエルとイランの停戦が発表され、「アメリカとイスラエルが勝利した」とさまざまに論評されています。
停戦に至った核施設への攻撃について、米国防総省のパーネル報道官は今月2日の会見で、「イランの核開発は、おそらく2年ほど遅れるだろうと我々は考えている」と分析結果を発表しました。
攻撃の成果をめぐっては、当初、「米国防情報局(DIA)分析では数カ月の遅れにとどまる」と報じられ、成果があまりなかったかのような印象が広がりました。しかし、トランプ政権の当局者らは、その分析の信頼性は「低い」とし、新たに得た情報を踏まえて評価したと発信。イランの外相も米CBSニュースの取材に対し、フォルドゥの核施設は「深刻かつ甚大な被害を受けた」と述べていました。
実際、イスラエルは2020年に、ウランを濃縮する遠心分離機を開発する施設を破壊しました。この際、イランは1~2年で再建して見せると強調しましたが、今もその作業を完了させていません。つまり、数値化はあくまで目安に過ぎませんが、今回の攻撃で「核開発計画が相当遅れた」ことは間違いないと見られています。
なお、米メディアのアクシオスは、トランプ政権のウィトコフ中東担当特使がイランの外相と会談し、核開発をめぐる協議を再開することを計画していると報じました。
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