《ニュース》

2月28日にアメリカとイスラエルがイラン攻撃を開始した直後、イラン政府は国内のインターネットへのアクセスをほぼ全面的に遮断しました。これにより、多くのイラン国民は、いまだ外部との連絡手段を断たれています。

《詳細》

イギリスを拠点としインターネットの自由を監視する団体「NetBlocks」によると、イランのインターネットアクセス率は通常90~100%ですが、現在は約1%にとどまっています。

そうした中、ごく一部のイラン国民は、イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業「スペースX」の衛星インターネットサービス「スターリンク」を利用して、インターネットにアクセスしています(4月9日付米ブルームバーグ)。

イランでは、スターリンクの使用は違法です。2025年6月のイスラエルとの12日間戦争後、イラン議会はスパイ活動に関する法律を改正し、スターリンクの使用を犯罪としました。国家安全保障を損なうと見なされる動画を送信すれば、5年の懲役刑になる可能性があり、戦時下では刑期は25年に延長されるといいます。

しかし、スターリンクの受信機はイラン国内に密輸され、闇市場で数千ドル(数十万円)という高値で販売されています。

スターリンクのサービスは、地上の受信機が地球の低軌道を周回する数百基の衛星ネットワークと直接通信するため、当局によりインターネットへのアクセス(地上基地局を経由)が遮断されていても、利用できます。イラン国内には、5万台の利用可能な受信機があると推定されています。

ただ、スターリンクの受信機は、空を遮るものがない状態で使用する必要があるため、イラン革命防衛隊などがドローンを使って屋上に受信機がないかを捜索していると見られています。また、スターリンクの信号も検出される恐れがあるといいます。

イランの電気通信産業はほぼ完全に国営で、政府は国内インフラを介して送られる音声やデータ通信を完全に管理。イラン政府職員の多くは、「ホワイトリスト」に登録されており、戦時中や混乱時でもインターネットを利用できます。国営メディアは遮断下でも放送したり、SNSに投稿したりすることが可能です。

アメリカとイランの停戦交渉が12日に決裂したこともあり、今後、いつインターネット遮断が解除されるかは、不透明です。

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