《ニュース》

猛烈な勢いで販売台数を伸ばし、日本の軽自動車市場への参入を表明して注目を集める中国の電気自動車(EV)メーカー・比亜迪(BYD)をめぐり、スズキの鈴木俊宏社長がこのほど「個人的には大歓迎」と述べました。

《詳細》

BYDは1~3月のEV販売台数で、米テスラを抜き、世界首位となりました。2024年の販売台数は累計427万台に達し(前年比41%増)、ホンダと日産自動車を凌駕して、世界7位に浮上。その勢いは、日系メーカーの牙城である東南アジア市場などで著しく、新たな脅威になったと言われています。

そんなBYDが今年4月に、外資がなかなか勝てない日本の軽自動車市場に参入すると発表し、26年度後半より、日本独自の車種を投入すると明らかにしました。24年の日本での販売台数は約2400台にとどまっており(前年比57%増)、巻き返しを図るつもりです。

一方で、BYDを含む中国メーカーに対しては、「数年以内に錆が発生する」といった品質面の苦情が世界各地で相次いでいます。欧米メーカーが撤退し、代わりに中国ブランドが人気を集めるロシアでは、中国車の耐腐食性能の一部が欧州車の3分の1に満たず、金属部品の寿命が4~5年程度しかないと報告されています。

さらにブラジルの検察当局がこのほど、BYD工場の建設作業に従事する労働者が「奴隷的な環境」であるとして提訴したことも、話題になっています。

BYDがどこまで日本市場に食い込めるかは、未知数となっています。

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