2024年10月号記事

迫りくるAIの支配に打ち克つ

想像を超えるAIの進化を、甘く見てはならない。
しかし同時に、人間の持つ"潜在能力"の偉大さにも、気がつかなくてはならない。


contents

迫りくるAIの支配に打ち克つ - Part 1


ここに二つの俳句がある。このうち片方が松尾芭蕉の作で、もう片方がAIが作成した句である。

迫りくるAIの支配に打ち克つ_1_01

見送りの うしろや寂し 秋の風

病む人の うしろ姿や 秋の風

読者はこの区別が果たしてつくだろうか(答えは*1)。

北海道大学の教授らが開発した「AI一茶くん」は、歴史上の俳人などの50万もの俳句を学習し、その言葉を組み合わせることで、一日に100万句を生成できる。なかには一定数、人間が思わず情景を浮かべてしまうものも生まれる。プロの俳人さえ「AIと人間のどちらの作品か」の判別が難しいものもある。人間の作品と比べて、「言葉に引っ掛かりがない」「清らかで澄んでいる」などと講評される句もあるという(*2)。

(*1)正解は、前者が芭蕉の作。
(*2)川村秀憲、山下倫央、横山想一郎共著『人工知能が俳句を詠む』(オーム社)

※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。

 

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