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政府は2日、新型コロナウィルス流行の経験を踏まえ、さらなる感染症に備えた「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の改定を閣議決定しました。

《詳細》

「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」は2013年に策定されたもので、その名の通り新型インフルエンザなどの感染症を念頭に置いている計画です。今回、新型コロナ流行の経験を踏まえ、約10年ぶりに抜本的に改定。「新型コロナウィルスや新型インフルエンザ以外も含めた幅広い感染症による危機に対応できる社会を目指す」としています。

改定された行動計画は、これまでの「実施体制」「予防・まん延防止」など6項目に、「ワクチン」や「水際対策」など7項目を追加した計13項目を設定し、全体の分量も89ページから224ページへと大幅に増加しました。

具体的には、感染拡大で医療体制がひっ迫するなどの恐れがある場合は、科学的知見が不十分な段階であっても「まん延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」に踏み切ることが可能となります。その際は国民生活や経済活動への影響の軽減を図りつつ、「柔軟かつ機動的」に対応するとしています。

また副反応などが問題視されているワクチンについては、「予防接種の意義や制度の仕組み」に関する啓発をするといい、副反応の内容や頻度、疑い事例などの情報について積極的に共有するとしています。一方、科学的根拠が不確かな情報や、偽・誤情報の拡散状況等のモニタリングを行うとも記しています。

政府は改定にあたり、4月24日~5月7日の2週間で事前にまとめた原案に対するパブリックコメント(意見公募)を行ったところ、異例の約19万件もの意見が寄せられたといいます。特にワクチン接種への懸念の声が多かった中、原案から一部修正はあったものの大きな変更は見られず、「パブリックコメントの意見が反映されていない」など懸念の声も相次いでいます。

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