2022年7月号記事

石垣市長インタビュー

石垣市の行政区域である尖閣諸島を護りたい

2月の市長選を制し、4選を果たした石垣市長に、国境の島を護ることの重要性を聞いた。

沖縄県石垣市長

中山 義隆

(なかやま・よしたか) 1967年、沖縄県石垣市生まれ。八重山高校、近畿大学卒業後、野村證券に入社。96年、家業を継ぐため帰郷。2006年、石垣市議選挙に初当選。10年、市長選初当選。22年2月の市長選に再選し、4選を果たす。日台共栄首長連盟副幹事長。

──中山市長は1月、尖閣諸島周辺の海洋調査船に同乗するなど、積極的に活動されています。

尖閣諸島は石垣市の行政区域です。我が国の領土であると、国には国内外に広く発信してほしいのですが、政府が国有化して以降は、対策が打たれていないのが実情です。

現在、中国の公船が頻繁に領海侵入を繰り返しています。尖閣を自分たちの領土だと示すには、具体的に行動する必要があります。国家公務員の常駐や、上陸して灯台の整備を行うなどのほか、ヤギによる食害の環境調査、戦時中に尖閣周辺で遭難された方の遺骨収集や慰霊祭の実施などです。

昨年は尖閣諸島の字名が変更になったため、新しい行政標柱を製作しました。設置のための上陸申請を政府に行っていますが、一度も許可されていません。

そんな中で東海大学の「望星丸」による海洋調査の話があり、「尖閣を自分の目で見よう」と、尖閣担当部署の職員や私も乗船しました。海上保安庁と事前に連携を取っており、中国の海警による妨害も受けず、調査できました。このような行動は、本来は一自治体ではなく国が実施するのがふさわしいと思いますが、市がまず動きました。海洋調査は続けたいと考えています。また遭難された方のご遺族には高齢の方も多いため、洋上からでも早く尖閣諸島をお見せし、慰霊していただきたいです。