2020年10月に「地獄からのラップトップ」をスクープ報道していたニューヨーク・ポスト紙が、ハンター疑惑をめぐる新たな展開を続報している。以下の記事では、ハンターがウクライナの生物兵器研究所に関与していた事実が取り上げられている。それは、「ロシアのプロパガンダ」ではない、まぎれもない真実だ。ニューヨーク・ポスト紙が入手していたEメールが、その証拠となっている。ハンター疑惑は、ウクライナ紛争をめぐる問題ともつながる様相を見せている。

(幸福の科学国際政治局長 藤井幹久)

Eメールによると、ハンター・バイデンはウクライナの生物学研究所の受託企業のために資金獲得を支援していた(ニューヨーク・ポスト紙記事)

ニューヨーク・ポスト紙が確認したEメールによると、バイデン大統領の息子ハンターが、「ウクライナの生物学研究所のための……資金提供に(関わっていた)」とのロシアの主張は、事実に基づいている。

ハンター・バイデンの破廉恥なラップトップにあった大量のEメールから、カリフォルニア州の防衛関連の受託企業が、ウクライナで致死性のある病気や生物兵器の研究をすることについて、ハンターが支援する役割を果たしていたことが判明した。このラップトップの存在については、2020年10月にニューヨーク・ポスト紙が独占スクープしていた。

ロシア政府は、2月からの隣国への一方的な侵攻を正当化する理由として、ウクライナにアメリカの秘密の生物兵器研究所が存在していると主張している。さらに3月24日には、生物兵器の製造は、バイデン家からの要請によるものだったと非難している。

「ロシアのプロパガンダ」ではない真実

ロシアの国営メディアによると、ロシア下院のヴャチェスラフ・ヴォロジン議長は、「ジョー・バイデン大統領本人が、ウクライナでの生物学研究所の設置に関与している」と述べた。また、「息子のハンター・バイデンが運営する投資ファンドは、アメリカの生物兵器開発プログラムの研究と実施のために資金提供していた。父親であり、大統領であるジョー・バイデンが、こうした活動を把握していたことは明らかだ」と述べて、ホワイトハウスによる説明と、米国議会での調査を求めた。

米情報当局は、こうしたロシアの主張を、戦争プロパガンダだとして否定した。そして、ウクライナにおける病原体研究のための生物学研究所のネットワークは、秘密のものではなく、公式に米国政府からの資金提供を受けていたものだと説明している。

しかし、ハンターの投資ファンドが、ウクライナの生物学研究プロジェクトのために、資金集めを支援していたとの、ロシアからの新たな主張は正しい。(その証拠となるのは)ニューヨーク・ポスト紙が最初に入手して、3月25日にデイリーメール紙が報道した、ウクライナでの取引に関するハンターのEメールだ。

関与を示す証拠メールが明らかに

(ハンターの投資ファンドである)ローズモント・セネカ・テクノロジーズ・パートナーズは、サンフランシスコの病原体研究を行う企業のメタバイオタ社に50万ドルを投資していた。また、ゴールドマン・サックスなどの企業を通じて、数百万ドル以上を調達していた。以上は、ジョー・バイデンが大統領選に立候補した2019年4月に、デラウェア州のPC修理店に捨て置かれたパソコンから発見されたEメールによる。

Eメールによると、ハンターは、ウクライナの生物学研究所での「科学プロジェクト」のために、自身が役員を務めるウクライナのガス企業ブリスマ社の幹部らに、メタバイオタ社を紹介していた。また、2014年にメタバイオタ社幹部から、当時の副大統領の息子に宛てたEメールでは、同社は「ウクライナをロシアから経済的、文化的に自立させる」ことができると記されていた。

2014年4月に、メタバイオタ社のメアリー・グッチエリ副社長はハンター宛てのEメールで、ウクライナでの同社の研究に関連して、地政学的な問題について記していた。ロシアの侵攻によるクリミア併合から、2カ月後のことだった。「お約束のとおり、添付にて文書をご用意しました。メタバイオタ社の概要や、ウクライナでの業務のほか、私たちのチーム、ネットワーク、コンセプトをどのように活用すれば、ウクライナがロシアから経済的、文化的に自立して、欧米社会と持続的に統合できるのかについてのものです」と記されていた。

米国政府も関与していたのか

その数日後に、ブリスマ社顧問のヴァディム・ポザルスキーからハンター宛てのEメールでは、「『サイエンス・ウクライナ』と称するプロジェクト」について記されていた。「メタバイオタ社は、国防総省の主要な受託業者であるB&V社[エンジニアリング企業のブラック&ビーチ社]の下請け会社だと理解しています」「メタバイオタ社は、ウクライナでどのようなパートナーシップを求めているでしょうか?」と記されていた。

政府の支出記録によると、2014年に、米国政府はメタバイオタ社に2390万ドルの契約を与えていた。「ウクライナでの研究プロジェクト」には、30万7091ドルが充当されていた。Eメールのなかでハンターは、自分の会社がメタバイオタ社への資金拠出を手配したことから、「政府機関」を含む「新規顧客の獲得」を支援したことまでを、投資家に自慢していた。

B&V社は、2010年に米国防脅威削減局から、オデッサに研究所を設立することを委託されていた。同社のウェブサイトによると、「生物兵器テロ、感染症拡大、パンデミックの可能性について発見、報告、対策することに取り組む、政府の既存の監視体制を強化する」ためとしていた。

ハンターのウクライナ疑惑は解明されるのか

こうしたハンター・バイデンの事業に、元CIA職員は驚きを見せている。サム・ファディスはデイリーメール紙に、こう語った。「彼の父親は合衆国副大統領で、ウクライナとの外交の責任者だった。ハンターは、ウクライナの疑惑のあるガス会社の役員を務めただけでなく、どうして生物兵器研究に取り組む会社とまで結びついていたのか?」「こうした事実が、ロシアのプロパガンダに利用されていることは明らかだ。しかし、そこには、何か解明されるべき問題があることも事実だろう」「こうした問題をめぐって、どうしてハンター・バイデンが出てくるのか? この問題の中心に、どうして副大統領の不名誉な息子──さしたる能力もないコカイン中毒の男──がいるのだろうか?」

52歳のハンター・バイデンは、現在、脱税容疑で連邦当局の捜査を受けている。2018年にその対象は拡大されて、父親の政治家としての地位と絡んだ、投資家やロビイストとしての海外経済取引に関する調査が行われている。ハンターは、こうした不正疑惑を否定している。

(ニューヨーク・ポスト紙2022年3月26日に掲載)

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