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米軍制服組ナンバー2であるジョン・ハイテン統合参謀本部副議長がこのほど開かれた米ブルッキングス研究所が主催したイベントで、中国の急速な核増強は脅威であり、アメリカがそのリスクから目を背ければ、中国に対する優位性はすぐに失われると警告を発しました。

《詳細》

ハイテン氏は、2016年から19年まで核兵器を運用する米戦略軍司令官を務めていた時に、中国の核増強について知っていたものの、「非常に機密性の高いチャンネルでの話であり、そのことについて話すことはできなかった」と極秘事項であったと述べました。

ハイテン氏は、アメリカとロシアは新戦略兵器削減(新START)条約で戦略核弾頭が1550発に制限されているものの、「(中国の場合)制限がありません。その気になれば、全てのICBM(大陸間弾道ミサイル)に10発の多弾頭を搭載でき、その能力を制限するものは何もない」と発言。つまり、中国の戦略核弾頭数が米露を超え、数千発に増える可能性があるというのです。

その上でハイテン氏は、「全てがうまくいったとしても、400基の新しい(ICBMの)サイロを2030年に初期運用能力、35年に完全運用能力を持つことになります。すでに存在する400基のサイロを近代化するには、10年から15年かかるでしょう。中国は、基本的に一晩で、それだけたくさんの数を建設しています」と、その驚異的な核増強に警告を発しました。

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