《ニュース》

アメリカとドイツの両政府がこのほど共同声明を発表し、ロシアとドイツを結ぶ海底ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の建設をアメリカが事実上認める方針が示されました。

《詳細》

バイデン米政権は、大統領選中から対ロシア強硬姿勢をアピールし、政権発足後、ロシアへの制裁を強化し、米ロ関係を悪化させていました。しかし、バイデン大統領は5月末に、ノルド・ストリームプロジェクトはほぼ完成しているとして、同プロジェクトの事業会社への制裁を突如解除。今回の声明によって、建設許可の方針が明確化され、バイデン政権の対ロ政策が転換したと注目されています。

ドイツとしては、パイプラインが完成しなければ、脱原発を見据えた電力供給が不安定化するため、建設を許可するようアメリカに交渉し続けてきました。一方、ロシアと対立するウクライナについては、ドイツとアメリカが同国への経済支援を強化することで話をつけ、今回、プロジェクトの建設が進むことになったのです。

とはいえ声明では、「ロシアがエネルギーを武器として使うなど、攻撃や悪意ある行為をとる場合にはしかるべく対応する」と明記されており、ロシアに釘を刺すことは忘れていません。

《どう見るか》