《ニュース》

三井住友フィナンシャルグループは石炭火力発電への新規融資を全面的に停止する方向で調整に入ったと、ロイター通信社が3日、報じました。今後、石炭火力発電はさらに縮小される向きが強くなるとみられています。

《詳細》

国際連合のグテーレス事務総長は2日、国連が掲げる温室効果ガス削減目標を達成するには、主要7カ国(G7)が率先して石炭火力発電の段階的廃止が必要であると述べ、6月に開催されるサミットまでに具体的な廃止計画を示すように求めました。

こうした流れと呼応するように、大手総合商社をはじめ、石炭関連事業を縮小し始めています。

三菱商事は発電用石炭の権益を2019年までにすべて売却し終えており、さらに今年2月25日にはベトナムで計画していた石炭火力発電プロジェクト「ビンタン3」からの撤退を発表しました。

伊藤忠商事は2月4日、同社が保有する発電用石炭の権益の8割を占める南米コロンビアの鉱山権益を2022年度中に売却する計画を公表。他の事業も2023年までに売却し、発電用石炭の権益から完全に撤退する方針です。

加えて、発電事業に強みがあるとされる丸紅も、2018年時点で300万キロワットの石炭火力総発電容量を2030年までに半減させる目標を掲げています。

総合商社として大きな収益源である石炭権益事業は、世界的な脱炭素の流れを踏まえて、ESG(環境・社会・企業統治)経営の立場から、急激に縮小されるとみられています。

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