写真:ロイター/アフロ

2020年4月号記事

新書から読めば挫折しない!

教養人への道

3年半以上にわたってお届けしてきた本連載が最終回を迎える。
今回、森口氏自身が発刊した近著『売国保守』と新書を読む意義について聞いた。

最終回 自民党の"プロレス政治"を終わらせよう

森口 朗

(もりぐち・あきら)教育評論家。HSUアソシエイト・プロフェッサー。中央大学法学部卒。佛教大学修士課程(通信)教育学研究科修了。95年~05年まで都内公立学校に勤務。著書に『自治労の正体』『授業の復権』『戦後教育で失われたもの』『教師は生まれ変わる』『誰が「道徳」を殺すのか』など。近著に『左翼老人』がある。ブログ「習慣新書」連載中。

私が拙著でお伝えしたいのは、自民党が左翼と戦うフリをして、「悪政」を積み重ねてきたことです。自民が支持されているのは、「野党よりマシ」という消極的な理由が多く、優れた政治を行っているわけではありません。

日本が再生するには、マルクスの共産主義を葬り、自民などに見られる左傾化を食い止める必要があります。

年金は嫉妬で"充実"する

多くの人が気付きにくい 共産主義の影響として挙げられるのが、年金制度です。 実は、年金は「嫉妬」によって充実されてきました。

年金の前身は「恩給制度」です。恩給は明治時代、国のために尽くして亡くなった軍人の遺族を支えるためにつくられました。しかし、「俺にも寄こせ」とばかりに、政府の事務官や地方公務員などにも受給対象が拡大。戦後、恩給をベースに、国民皆年金が始まりました。今の年金をめぐる議論も、お金持ちへの嫉妬を背景にした論調が根強くあります。