日本郵政グループの経営が揺らいでいる。

グループの持ち株会社である郵便事業会社(日本郵便)と郵便局会社が総務省に提出した2011年度の事業計画で、2社とも赤字予測となった。

各紙の報道によると、日本郵便は大規模な遅配が起きるなどして宅配便「ゆうパック」の不振や郵便物が年3%ペースで減少している影響で赤字になる見込み。郵便局会社も、郵便物やゆうパック、ゆうちょ銀行などの金融商品販売を通した委託手数料が主な収益源とあって、グループの不振が響いて赤字転落となる。日本郵便は11年度から2期連続で赤字、郵便局は12年度で初の赤字に転落する見通しだ。

なぜ、黒字を維持していた2社が急速に業績を悪化させているのか。その要因の一つは、民主党政権の誕生によって民営化路線が見直されていることだろう。経費の6割を占める人件費の削減が進まないどころか、昨年12月には国民新党の亀井静香代表の要請で、非正規社員約6500人を正社員に登用し、逆に人件費を増やしてしまっている。

社長も、民間銀行出身だった西川善文氏から元大蔵次官の斎藤次郎氏に交代させるなど、官僚色が強まっていた。非効率な官僚体質を改めるには、民営化路線にもう一度再転換するほかないだろう。(村)

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