イギリスのウィンストン・チャーチル元首相による地球外生命体の可能性に触れたエッセイが発見され、注目を浴びている。

チャーチルは政治家であり、作家でもあったが、科学にも高い関心があったことで有名だ。

チャーチルの50年以上前の"予言"

彼が1939年に書いた太陽系外惑星の可能性に関する科学エッセイが、アメリカのミズーリ州にある国立チャーチル博物館で発見され、天文物理学者のマリオ・リヴィオ氏が入手。リヴィオ氏は今年2月上旬に、「Are We Alone in the Universe?」(私たちは宇宙で孤独なのだろうか?)というタイトルの、そのエッセイをネイチャー誌で紹介した。

このエッセイでは、チャーチルの「慧眼ぶり」が明らかになった。

例えば、広い宇宙には太陽系以外にも地球のように恒星から程よい距離にあって適温を保ち、水や大気の存在する惑星があるのではないかと記されている。これは、太陽系外惑星の発見される50年以上前に、生命が存在可能なハビタブルゾーンと言われる領域を、すでに想定していたことを意味する。

タイミング良くNASAが惑星発見を発表

また、この話題で系外惑星における生命体の可能性が注目される中、2月下旬、タイミングよくNASAが、新たな系外惑星を発見したことを発表。地球から39光年離れた恒星トラピスト1を周回する地球に似た7つの惑星を発見したというのだ。

そのうち少なくとも3つは、水などが存在し、生命が生息可能なハビタブルゾーンに位置しているという。現在、系外惑星で最大の注目は、「地球外生命体が存在しているかどうか」ということである。

科学者たちが「地球外生命体」と言うとき、一般的にはmicrobe(微生物)やorganism(有機体)である。決して「宇宙人がいる」という話とイコールではない。だが、進化論をベースにしている彼らも、宇宙人の可能性を否定できないはずではある。

チャーチルの科学エッセイも、決して「宇宙人の存在」に直接触れているわけではなく、どうやら微生物レベルの地球外生命体のことを示しているようだ。しかし、その一方で宇宙人を想定していたかもしれないという文書もまた存在している。

「大衆がパニックに陥るため」に隠した

2010年8月5日付BBCの記事によると、1950年代、チャーチルは大衆のパニックを防ぐためUFO目撃の情報を隠すよう指示していたという文書が公開された。

当時、チャーチルは毎週、情報当局からUFO目撃の情報を受け取っており、中には英空軍とUFOの遭遇事件などもあった。チャーチルはパニックを防ぐため、今後50年間はこの情報を機密扱いにするよう指示したという。

英国防省の元UFO調査官ニック・ポープ氏は、「チャーチルのボディガードをしていた人物の孫が科学者で、その人物が、チャーチルとアイゼンハワーが一緒に、英空軍機が爆撃から戻るとき目撃したというUFO情報を隠蔽したと言った」と指摘している。

チャーチルが情報を隠した理由について、ポープ氏は「大衆がパニックに陥り、人々の宗教的見解を打ち壊す恐れがあるため」と語る。それを踏まえれば、チャーチルが言う「UFO」とは諸外国の敵機などではなく、やはり、宇宙人が操る「宇宙船」であり、その存在を信じていたと考える方が自然だろう。(純)

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