宗教融和 - スッキリわかる中東問題【後編】 Part3
2015.01.28
2015年3月号記事
スッキリわかる中東問題【後編】
パリ新聞社襲撃事件
イスラム・テロをなくす道 Part3
パリの新聞社襲撃事件以外にも、イスラム国の台頭やパレスチナ自治区ガザへの空爆など、中東発祥の兄弟宗教であるユダヤ・キリスト教とイスラム教の争いは絶えることがない。
2014年12月号に続き、中東問題の核心に迫る後編をお届けする。
(編集部 大塚紘子、長華子、只木友祐、中原一隆、冨野勝寛)
contents
Part3 宗教融和
イスラム教とユダヤ・キリスト教は平和共存できるか
対立する宗教文明が平和共存する
考え方の一つとして提唱されている
「宗教多元主義」について、
米ジョージタウン大学のチェスター・ギリス教授に
話を聞き、宗教融和について考える。
神はさまざまな形で地上に姿を現してきた
ジョージタウン大学教授
チェスター・L・ギリス
Chester L. Gillis
米シカゴ大学で博士号取得。現在ジョージタウン大学神学部学部長。著書に、『Pluralism: A New Paradigm for Theology(宗教多元主義:神学の新しいパラダイム)』(1993)、『Roman Catholicism in America(アメリカにおけるローマカトリック)』(2003)などがある。テレビなどのメディアにも多数出演。
──宗教多元主義に興味を持ったのはなぜですか。また、この考え方のメリットは何ですか。
ギリス氏(以下、ギ) : 1970年代に、宗教哲学者のジョン・ヒックの書いた『God and the Universe o.f Faiths』という本を手に取ったのがきっかけです。この本には、一つの超越的な存在が、異なる時代、異なる地域に、異なる姿で地上に姿を現すという理論が書かれていました。
宗教多元主義は宗教間の障壁を取り除ける
私はキリスト教の神学者でしたので、最初はその考え方を拒絶しました。しかし、ヒックの思想を深く理解し、また、他の宗教を信じる方々と出会うにつれて、考え方が変わってきました。 キリスト教という一つの“レンズ"を通して物事を見るよりも、宗教多元主義のほうが、神聖なものを理解するのによりふさわしいと確信するようになったのです。
宗教多元主義のメリットは、超越的な存在、あるいは神聖な者が、すべての人類に異なる時代と場所においてさまざまな方法で関わり、導いてきたと考えるところにあります。
宗教多元主義とは
世界が平和共存するためには
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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