STAP論文問題 理研のやっていることは異端審問と同じ
2014.05.13
STAP論文の問題をめぐって、理化学研究所(理研)が小保方晴子ユニットリーダーの不服申し立てを退け、再調査をしないと決定したことに対して、本欄ではその決定の正当性のなさを指摘してきた。8日に理研が行った記者会見の内容をさらにつぶさに見てみると、疑問点が多い。
まず、理研の調査委員会は、小保方氏が他の科学雑誌に投稿した、今回問題となっている画像と同じような画像を含む論文を入手し、「その際に査読者から線を入れるよう言われていたのに、今回の論文で入れなかったことから、故意に切り貼りを表記しなかったのは明らか」と、小保方氏の「悪意」を裏付ける新証拠とした。しかしこれは、切り貼りをした画像自体に問題はないということでもある。
また、河合真紀理事は記者の質問に対し、「切り貼りをして説明しやすくすること自体が悪いのではなく、事実を曲げることがいけない」と答えているが、小保方氏は不服申し立ての中で、「科学的考察に基づいて画像を切り貼りした」と主張しており、その場合、事実を曲げたことにはならない。理研は、この小保方氏の主張に対し、反論できていない。
極めつけは、STAP細胞の作製方法に関する特許を、理研が取り下げていないことだ。記者の質問に対し、米倉実理事は、「現在、検証実験を行っており、その結果を踏まえて判断したい」と答えた。再調査も検証実験もせずに小保方氏をおとしめておいて、検証実験でSTAP細胞ができたら、特許の利益だけは得るつもりか。
さらに驚くべき発言がある。検証実験の結果で今回の判断が変わるのかという問いに対し、調査委は、「調査委の判断は、STAP細胞の有無とは関係ない」と答えたのだ。調査委が、「論文のマナー」のみを扱っていることが明確になった。
理研は、マナーができていなかったという理由だけで、生物学の歴史を変えるような発見のマター(内容)の議論もせず、その発見者を糾弾しているということだ。理研がやっていることは、地動説を示す記録の内容を議論せずに、当時の常識と違っているからという理由でガリレオを糾弾した、異端審問と同じだと言わざるをえない。
この問題を受けて、下村博文文部科学相は、理研を「特定国立研究開発法人(仮称)」に指定する関連法案の提出を見送った。また、小保方氏について、「STAP細胞そのものは否定されていない。科学的な根拠を示し、STAP細胞の存在を説明することが、科学者として求められている倫理だ」と述べた。
理研はあくまでもマナーの問題として片付けようとしているが、下村文科相も言うように、小保方氏が研究を続ける環境を整え、マターを議論できるようにすべきだ。STAP細胞は存在するのか、どうしたらSTAP細胞が作製しやすいのか、どのような仕組みでSTAP現象が起きるのか、など、研究すべきマターはたくさんある。(紘)
【関連書籍】
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幸福の科学出版 『小保方晴子さん守護霊インタビュー それでも「STAP細胞」は存在する』 大川隆法著
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幸福の科学出版 『公開霊言 ガリレオの変心』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=944
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