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トランプ米大統領はアメリカ独立記念日にあたる4日、減税・歳出法案「一つの大きく美しい法案(One Big Beautiful Bill Act)」に署名し、成立させました。
《詳細》
本法案は5月に下院を通過後、上院で7月1日、政府支出の削減をさらに進める方向で内容が修正され、賛成51、反対50の僅差で可決されたものです。修正を受けて下院で改めて審議が行われ、218対214で可決。トランプ氏が目指していた4日の独立記念日での成立が実現しました。
4.5兆ドル(約650兆円)規模の減税が盛り込まれた法案の主たる目的は、トランプ第一次政権時に導入し、今年末に期限を迎える「減税・雇用法(TCJA)」の恒久化です。個人所得税の減税を柱とするTCJAが期限切れになれば、実質的な「大増税」になる懸念がありましたが、無事に回避された形です。
他にも、新たに「チップと残業代への課税の免除(2028年度末まで)」「アメリカで組み立てられた自動車の購入者へのローン金利の税控除」などの減税策を明記。他方、歳出削減に向けて、「バイデン前政権下で導入された電気自動車(EV)や気候変動対策への税控除の廃止」「メディケイド(低所得者向け公的医療保険)の対象から不法移民を排除し、就労要件を課す」などを盛り込んでいます。
トランプ氏はホワイトハウスでの署名式典で、「これは我が国史上最大の減税だ」「アメリカ経済はロケットのように飛躍するだろう」と語りました。
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