政府が出生前診断に異例の関与開始へ 受診者増で"中絶手術増" が懸念されるが、大切なことが忘れられていないか

2021.03.16

《ニュース》

厚生労働省は、胎児がダウン症などではないかを調べる出生前診断について、全ての妊婦に情報提供をする方針を固めました。16日付読売新聞オンラインが報じました。

《詳細》

情報提供は、母子健康手帳の交付や、初回の妊婦検診のタイミングで、保健師らが対面で説明すると同時に、パンフレットも配布する形で行われる見込みです。

政府は今まで、「医師は妊婦に出生前診断について積極的に知らせる必要はない」という見解を示していましたが、約20年ぶりに方針転換する形となります。

厚生省はこのほど、新型出生前診断(NIPT)を行う「施設の認証」もする、といった方針も策定しています。国として出生前診断に関与するという異例の動きが、波紋を呼んでいます。

一連の動きの背景には、「妊婦がインターネットで得た不確かな情報で検査を受け、混乱することが多い」「美容外科など、十分な専門性のないと見られる機関が、営利目的で検査を行っている」「カウンセリングなど十分な支援体制がないまま、中絶するか判断を迫られるケースが出ている」といったことが問題視されていたことがあります。

いわば"闇診断"のようなケースを減らすため、国が情報や施設に"お墨付き"を与える体制をつくろうとしています。

政府は今まで、「政府が出生前診断そのものを推奨しているように見える」との理由で、積極的な関与を避けてきました。

今回、政府は「情報提示、選択肢の提示をしているに過ぎない」というスタンスですが、やはり診断を受ける選択をする人が増える可能性は、非常に高いです。

新型出生前診断で「胎児に染色体異常が確定した妊婦の9割以上が出産を断念した」という統計も出ており、受診者が増えれば、中絶件数も増えることが予想されます。

《どう見るか》

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タグ: 染色体異常  中絶  生存権  出生前診断  厚生労働省  障害者    NIPT 

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