コロナ不況は無用な人災 Part.3 民間の知恵を信じてすべてを元に戻そう
2020.05.29
2020年7月号記事
コロナ不況は無用な人災
政府は5月14日、39県で緊急事態宣言を解除。一方で、さまざまな行政指導、業界の指針などを駆使して、実質的に経済の誘導・統制を続けていこうとしているように見える。
しかし、統治者のミスリードが、どれほど国民生活に打撃を与えるのか。実態を探ってみた。
(編集部 長華子、駒井春香、片岡眞有子)
contents
民間の知恵を信じてすべてを元に戻そう
日本経済が一刻も早く不況から脱するためにすべきことを、本誌から提言する。
緊急事態宣言の発出後、企業は手元の資金が底を突く恐怖に襲われている。当面、つなぎ融資で持ちこたえても、1~2カ月で資金ショートを起こす企業がほとんどだ(下図)。このままだと1年以内に、日本経済は壊滅の危機に瀕するかもしれない。
このような事態を回避するために、政府は39県の緊急事態宣言を解除する一方、重点的に対応する「特定警戒都道府県」に東京都と大阪府、北海道などを引き続き指定した(5月15日時点)。
だが、仮に形の上で「宣言」を全面解除したとしても、本当に危機を回避できるのだろうか。
政府は、国民に現金10万円の給付を決断。売り上げが減った事業主への補償や家賃補助などの政策を打ち出した。
コロナ禍の長期化に備え、日銀は国債購入の上限を撤廃。持続的な資金供給が可能だというメッセージも送ったが、国債の発行額はすでにGDPの2倍に達している。中央銀行が事実上、政府の借金を無制限に穴埋めするわけにはいかない。つまり長期化すれば企業の損失を国家が補填し続けることは不可能で、ない袖は振れなくなる。しかも廃業した会社を、再度立ち上げるところまで政府は面倒を見てくれない。政府に期待し「安心して休業」していては命取りになる。
民間の知恵を信じてすべてを元に戻そう
「自粛警察」が経済を委縮させる
新しい「行政指導」が経済を締め上げる
基幹インフラとエネルギー・食料自給率の確保を
「コロナ復興債」で大神宮建立
経済活動の妨げになる指針や指導の例
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