GAFAの効率至上主義の代償 / グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン「新しい独裁者」の時代? Part.2
2018.06.30
2018年8月号記事
「新しい独裁者」の時代?
グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン
米巨大IT企業4社は、頭文字をとって「GAFA」と呼ばれ、独占的に世界市場を支配している。
日本のマスコミがあまり報じないGAFAの闇とは――。
(編集部 山本慧、長華子、山本泉)
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GAFAの効率至上主義の代償 / グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン「新しい独裁者」の時代? Part.2
GAFAの効率至上主義の代償
GAFAのサービスが便利になるにつれ、その弊害を指摘する声が増えている。
各社の"成功の代償"についてそれぞれ見ていく。
アマゾン
アマゾンは本のネット販売業からスタートし、今や世界最大の小売企業となった。
だがそれによって、多くの書店や玩具販売「トイザらス」をはじめ、リアルな店舗の閉店が相次いでいる。アマゾンがアメリカに納めた税金も、わずか2%にすぎなかったとされている。
また、アマゾンの自社商品は、中国で委託生産されているが、正社員の時給は300円以下で、14日連続勤務を強いられているという(*1)。
アマゾンの便利なサービスは、雇用の喪失と劣悪な労働環境によって供給されている、と言える。
(*1)中国労働権利団体China Labor Watch。
グーグル
グーグルのYou Tubeによって、違法アップロードが急増し、全世界的にCD離れが加速している。アメリカでは、ミュージシャンと演奏家の雇用が3割も減り(左図下)、「グーグルが音楽を殺している」と指摘する声も起きている。
You Tubeは無料だが、クリエイターがその割を食う形となっている面は否めない。
フェイスブック
フェイスブックの写真アプリ「インスタグラム」は昨年、「インスタ映え」という言葉で流行語大賞を獲得した。日本の月間ユーザー数は2000万人に達する人気ぶりだ。
だが、ユーザーが増えても、同社の正社員は数百人にすぎず、雇用や経済活性化への貢献度は低い。無料サービスの拡大は、経済を成長させるけん引役になり得ない。
アップル
アップルの技術を支えているのが、日本企業であることは広く知られている。本誌2017年12月号で紹介した小林研業(新潟県)もその一つ。同社は、iPodのボディを磨き上げる優れた職人技術を持っている。
しかし小林研業は、アップルの仕事を請け負っていたのに、同社の社員にカメラで作業場を撮影される。アップルはその映像をもとに、他国に仕事を発注。小林研業を切り捨てた。
アップルは厳格なルールのもとに、日本企業を「植民地」として利用していると言えよう。
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