日本の平和を守りながら沖縄市を発展させる - 幸福実現党 沖縄県本部
2018.06.29
2018年8月号記事
Interview
日本の平和を守りながら沖縄市を発展させる
2009年の立党から、「ブレずに一直線!」を合言葉に政治活動を続けてきた金城竜郎氏に話を聞いた。
(聞き手:編集部 小林真由美)
幸福実現党
沖縄県本部 沖縄市代表
金城 竜郎
(きんじょう・たつろう)1964年、那覇市生まれ。沖縄国際大学卒。沖縄気象台に勤務後、幸福の科学に奉職。
「『ブレない自分でありたい』。そう思って約10年間、政治活動を続けてきました。嘘をついて選挙で勝っても意味がありません。どのような状況においても、正直に、信念を貫くべきだと思っています」
生まれも育ちも沖縄と生粋のウチナーンチュ(沖縄の人)である金城竜郎氏は、真っ直ぐな目でそう語る。
金城氏はこれまで、国政選挙、県知事選挙などに合わせて7回出馬し、一貫して国防強化や消費税減税などを訴えてきた。その挑戦は、まさに「七転び八起き」そのもの。
「未来の平和をどうやったら守れるのか、未来の発展をどうやったらつくれるのか。沖縄の隅々まで足を運び、多くの方々のご意見をうかがいながら、そうしたことをずっと考え続けてきました。育てていただいてきた方々、地域に、恩返しをしていきたいです」
基地周りが「シャッター街」化
市の中央パークアベニュー。お昼時でも人通りは少ない。 沖縄が米軍統治下の時代から愛されている、老舗のタコス屋。
金城氏が今、最も問題視しているのは、沖縄市にある米軍嘉手納基地周辺の商店街から、かつてのにぎわいがなくなり、「シャッター街」になっている現状だ(上写真)。
「かつての沖縄市は県内で二番目に発展していました。
しかしその後、周辺の北谷町や北中城村など、米軍から土地を返還された自治体は、跡地に大きなショッピングエリアをつくるなどして発展。その一方で、沖縄市はさびれており、『沖縄市も基地を返還してもらい、再開発した方がいい』と指摘する識者も多いです」
確かに、沖縄で最も発展しているエリアである那覇市の新都心・おもろまちは、基地の返還後に開発され、にぎわっている(下写真)。
元の人や観光客でにぎわう、那覇市の平和通り商店街。沖縄独特の食や文化を発信する店が立ち並ぶ、 那覇市の国際通り商店街。
沖縄では、「基地が発展を阻害している」という意見も根強い。しかし金城氏は、安易に基地の返還を求める考えに対し、危機感を抱いている。
「フィリピンでは1992年に米軍基地が撤退した後、政府がそこを経済特区にして、1千社以上の外国企業が進出し、GDPを押し上げました。
しかし、米軍が撤退した後に、何が起きたかというと、南シナ海を中国が埋め立てて人工島をつくり、今では軍事施設まで建てています。フィリピン政府は慌てて米軍を呼び戻そうとしています。
沖縄をこういう状況にしたくはありません。米軍が沖縄にあるだけで、中国などに対する明確な『抑止力』になるのです」
嘉手納基地は、沖縄市の面積の約3割を占める極東最大級の米軍基地だ。
40年以上にわたり同基地の設営中隊でエンジニアとして働き、当時の日本人としては最上位である「フォーマンB」の役職まで上り詰めた荻堂盛栄氏は、米軍と沖縄市の関係に詳しい。市民の暮らしを良くしたいと、安慶田自治会長を務めたこともある荻堂氏は、市の発展の歴史についてこう語る。
「沖縄市は、まさに米軍基地とともに発展した街です。商店街は、以前は米軍関係の客でにぎわっていました。
しかし沖縄返還前、米軍に対する沖縄住民のデモなどを受け、米政府は衝突を避けるために、米軍人とその家族の民間地域への出入りを禁止する『オフ・リミッツ』を行ったのです。すると、周辺の商店街への客足が途絶え、大きなダメージを受けました。
沖縄市を豊かにするには、米軍基地を有効活用し、交流しながら発展する方法を考える必要があると思います」
沖縄市の一番街で、市の未来について語り合う金城氏(右)と元安慶田自治会長の荻堂氏。
(1)地元の人に便利な商店街へ
どうすればシャッター街を再生できるのか。その方向性について、金城氏はこう語る。
「商店街全体を、会社経営のようにトータルコーディネートできる人材が必要です。
沖縄市では高齢化が進んでいるので、『高齢者も安心して快適に住める街づくり』を目指したい。そのためには、八百屋や魚屋、肉屋、健康増進施設など、地元の人の生活を支える店を集め、商店街を歩けば生活に必要なものは全てそろう場所に変えていく必要があります」
(2)国際交流の一大拠点にする
また、金城氏は沖縄市の経済活性化のキーワードとして、「国際色豊かな人材」を挙げる。沖縄の中で最も国際色豊かともいえる沖縄市には、アメリカのみならず、インド、タイ、メキシコなど、さまざまな国籍の人が住んでいる。それ自体が大きな"資源"だ。
「まだ沖縄市にはない『道の駅』をつくるとともに、世界のおいしい食べ物のお店が集まるような一大拠点にして、観光客のニーズも取り込みたい」
国際交流と言えば米軍基地だが、沖縄市では米兵に対して批判的な報道が多い。しかし、金城氏はこう語る。
「かつて米軍基地で毎年開かれていた『嘉手納カーニバル』などのお祭りは、実は県民にも大人気で、多くの人々が参加していたんです。また、米兵は地域のごみ拾いなどのボランティア活動に積極的に参加しており、地域の人と交流する機会を持っていました。こういうことは、新聞などではあまり報じられてきませんでした。
私は、こうした基地のお祭りや米兵と一緒に行うボランティア活動、米兵の自宅でのホームステイ体験や語学学習などを通して、米軍と市民が積極的に国際交流をしていくことが大事だと思っています」
(3)1万人アリーナを有効活用
〈上〉アリーナ建設予定地で、その活用法について語り合う金城氏(右)と荻堂氏。
〈下〉アリーナの完成予想図。
しかし、シャッター街に、果たして観光客は戻るだろうか。
「今、沖縄市では、1万人規模を収容できる、沖縄でも最大規模の『沖縄市多目的アリーナ』の建設計画が進んでいます。これは、沖縄市に多くの観光客をもたらす大きなチャンスです」
アリーナは、2020年に竣工予定。23年にはFIBAバスケットボールワールドカップの予選ラウンドが開かれる。沖縄を代表するバスケチーム「琉球ゴールデンキングス」も公式戦などで使う予定だ。
「スポーツの他にも、歌手のコンサートや展示会などを開き、稼働率を高める工夫が必要でしょう。沖縄独特の文化を活用したイベントを大々的に行って観光客を呼び込むことも重要。アリーナと街をつなげることで、この一大プロジェクトを成功させることが大切です」
沖縄市を、基地とともに発展できる街に再生する―。これが、沖縄を心から愛する金城氏が示す解決策だ。
〈上〉2016年7月に、那覇市と沖縄市にて個人演説会を開催。「マイナンバー制度の問題点」について解説した。
〈中〉企業を訪問して消費減税を訴えるほか、署名活動も行っている。
〈下〉沖縄に住んでいる外国人とも積極的に交流している。
海と宇宙で沖縄を豊かにする
幸福実現党
沖縄県本部 統括支部長
富川 泰全
(とみかわ・やすまさ)1979年那覇市生まれ。幼少期を石垣島で過ごす。中央大学法学部を卒業後、幸福の科学に奉職。好きなことは、スポーツ、映像制作、旅。
沖縄を豊かにする―。
これが私の活動の中心テーマです。沖縄は全国でも所得が低く、失業率も高い。県民の皆さんとこの現状を変え、豊かな島にしたい。そのためには、まず多くの雇用を生む基幹産業の立ち上げが必要です。その有力な候補が「海洋開発」「宇宙産業」です。
魅力ある仕事を県内につくる
沖縄周辺の海底には、亜鉛や鉛、金、銅などの鉱物資源がたくさん眠っています。昨年の秋、沖縄近海で、経済産業省が世界で初めて海底の鉱物資源の大量採掘に成功しました。採掘の他にも、金属を取り出す製錬工場などを沖縄に建てれば、雇用が生まれます。
もう一つの宇宙産業ですが、これから人類が「宇宙時代」に突入することは間違いありません。沖縄でロケットや小型衛星を造れば、製造業が育ちます。さらに、強みである観光産業と宇宙産業を合体させ、結婚式など地上で行っているさまざまなイベントを宇宙でやるだけでも需要があるでしょう。
仕事を求めて県外に出ていってしまう若者も多いですが、魅力的な仕事が沖縄にあれば喜んで地元で働くはず。県外の人だって、仕事に惹かれて集まってくるでしょう。
幸福実現党は2009年の立党当初から、この「海洋開発」「宇宙産業」の重要性を訴えてきましたが、この産業を沖縄で成功させるためのキーワードは「自助努力の精神」です。
正しい歴史認識で自立した経済をつくる
沖縄経済は長年、政府の補助金に頼っていて、自立できていません。県民も反省すべきでしょうが、補助金漬けにしてきた戦後の自民党政治にも問題があります。問題の根底にあるのは、沖縄の「被害者意識」ですが、これは本当に正しい認識でしょうか。
沖縄戦で多大な犠牲を払ったのは確かです。ただ、沖縄は見捨てられたわけでも、差別されたわけでもありません。終戦間際、3000人を乗せた戦艦大和が、沖縄を守るために片道分の燃料を積んで「特攻」しました。
沖縄の新聞やテレビは、そうした歴史的事実を伝えず、被害者意識を煽って、本土との対立をつくり出します。これを解消するには、教育の中で、バランスのとれた歴史観や、勤勉に働いて豊かになる大切さを教えるべきです。
また、沖縄には「チャンプルー文化」と呼ばれる、多様な価値観を受け入れる土壌があります。少子高齢化の問題を解消するためにも、優秀な外国人を受け入れ、「親日移民」として地域の発展に力を尽くしてもらう。沖縄はそのモデルになれると思います。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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