釈量子の志士奮迅 [第50回] - 「年金不況」を乗り越える
2016.09.29
2016年11月号記事
第50回
釈量子の志士奮迅
幸福実現党党首
釈量子
(しゃく・りょうこ)1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
「年金不況」を乗り越える
日本の消費や経済成長率が、じりじり下がっています。
幸福実現党はこれを「消費増税不況」と訴えています。そもそも政府が増税したがるのは、年金をメインとする社会保障制度を維持するためです。つまり、今の日本は「年金延命不況」とも言えます。
年金維持のための増税が不況を招き、お給料を減らし、老後の不安を増やす―。本末転倒の悪循環を生んでいるのです。
延命しても破綻は近い!?
さらに問題なのは、政府が「延命治療」を続けている年金制度が、事実上、破綻しているということです。
政府は年金について、「100年安心」と謳っています。しかしその計算には、前提条件があります。それは、「国民の給料が増え、年金保険料を上げる」「好景気で毎年4~5%もの利回りで年金を運用できる」など。
今のままでは、政府の計算とは裏腹に、年金の積み立てが底をつきます。また、現役世代の負担が徐々に重くなっていきます。支給開始年齢は引き上げられ、支給額は減ります。
このような未来を、子供たちに遺すわけにはいけません。
「年金は安心」のごまかし
政府は、この状況をごまかし続けています。
まず、各世代が資金を積み立てる「積立方式」を、いつの間にか、現役世代が親世代にお金を横流しする「賦課方式」に変え、「積立修正方式」と言いくるめてきました。
さらに、「年金制度は安心だ」と国家レベルで嘘をつき、年金を延命させるための増税で、不況を長引かせた。
これらは、「詐欺罪」「横領罪」と言っても過言ではありません。
年金延命から年金再生へ
どこかで、この負のループを断ち切らなければいけません。政府は、いったん年金の破綻を認めるべきです。年金破綻を招いた歴代の政府の関係者は、その責任を追及されるべきでしょう。その上で、若い世代に、自分で老後の資金を積み立てさせる「積立方式」の年金制度を新設してもいいでしょう。
「年金国債」を発行する
ここで問題になってくるのは、「今まで保険料を払ってきた人たちは、年金を支給されないのか」ということです。
大川隆法・幸福実現党総裁の提言を元に、根深い問題を解決する新しい制度のイメージを一つ提示いたします。
第一に、「年金がなければ路頭に迷う」という人には、今まで通り支給します。
第二に、年金がなくても生活できる人には、支給をストップし、今まで払い込んだ保険料は形を変えて"返済"します。
どういうことかというと、現金の代わりに「年金国債」を発行し、渡すのです。これは、無利子で返済期日のない永久国債。普通の国債のように転売することも、使わずに子孫に相続することもできます。一種の通貨を発行するイメージです。
第三に、富裕層には今までの保険料を「年金国債」で返しつつ、もう一つお願いをします。年金保険料や重税を課すのではなく、「国家未来事業債」を買っていただくのです。
この資金で経済成長させ、将来の税収につなげる仕組みです。具体的には、全国にリニア新幹線を敷設する交通革命や、ロボット・宇宙産業などへの投資を行います。バラマキに消える赤字国債より、税収につながるのでよほど健全な国債です。
「今までの年金では破綻する」という現実を受け入れることで、「やはり老後は、家族で支え合おう」という文化が息を吹き返すのではないでしょうか。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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