石平氏インタビュー「中国は靖国神社を焼き払う」
2010.11.06
中国問題評論家 石平(せき・へい)1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学科を卒業。88年に来日し、神戸大学文学研究科博士課程修了。民間研究機関に勤務した後、評論活動に入る。現在、拓殖大学客員教授。『中国の経済専門家たちが語る ほんとうに危ない! 中国経済』(海竜社)など多数の著作を持つ。
尖閣事件で揺れる日中関係。
中国評論のスペシャリストの石平氏が
中国の狙い、占領された場合の日本の姿、
そして今、日本が為すべきことについて直言する。
尖閣事件で、民主党政権は外交的に最悪の負け方をしました。
あからさまに圧力をかけられた中での譲歩は、敗北以外の何物でもない。
「日本は圧力をかければ、必ず折れる国」というイメージを国際社会に与えてしまった。
中国が強硬姿勢をとればとるほど、国際社会の反発も強まるし、もし本気でフジタの社員に何かすれば、国際社会を完全に敵に回します。
本来、日本は何も恐れずに国内の法律に基づいて堂々と中国人船長を処分すればよかったのです。
日本は瀬戸内海の中の一つの小さな島になる
中国にとって尖閣諸島は、覇権を拡大する一つの突破口であり通過点です。漁船を大量に派遣して、島をとって、既成事実を積み上げていくつもりです。その先に日本の支配があるのですが、現実感を持てない人も多いでしょう。
しかし、実際に中国は遠く離れた南沙諸島を自国の領土と言って武力支配しています。でも、中国にとって領土かどうかは本質的な問題ではなく、戦略的に必要だから奪い取っているだけです。
日本では、自衛隊や米軍を配備すれば中国を刺激すると反対する人もいますが、第二次大戦を思い出して下さい。イギリスやフランスが、ヒトラーを刺激したらいけないと言い続けた結果、誰もナチスの暴発を止められなくなりました。
確かに軍隊を動かせば中国を刺激するかもしれませんが、このまま南西諸島に自衛隊を配備せず、米軍を追い出せば、どこからでも占領されてしまいます。これで平和が守れるわけがない。東シナ海が中国の海となって、日本は瀬戸内海の中の一つの小さな島になってしまいます。
戦争被害を蒸し返し3千兆円の賠償を求める
もし、中国が日本を占領したら、直接統治するかどうかは分かりませんが、間違いなく国家を破壊します。まず自衛隊を解体します。軍隊を支配下に置けば何でもできるからです。
そして、靖国神社を焼き払うでしょう。もちろん戦争の賠償も蒸し返します。中国国内で、「俺のじいさんが殺された」という戦争被害者が、一夜にして3千万人ぐらい名乗り出てくるかもしれません。1人1億円の賠償としたら3千兆円です。
政治的には、マスメディアやネットをコントロールして、選挙で親中派の政治家を当選させる。そして、法律で「平和に対する罪」をつくらせれば、中国政府に都合の悪い人たちを完全に取り締まれます。
当然、私のような「反動分子」は人民の敵ということになって刑務所に連れていかれる。リバティの読者も気をつけてください(笑)。日本の経済界は完全に中国側に立つでしょう。言うことを聞かない企業は潰しますから。
つまり、日本人は奴隷となるのです。日本は資源がありませんから、資金と技術力を奪う。経済的な収奪の対象以外の何物でもなくなります。
高度成長した中国経済はバブル頼みの「アヘン経済」
こうした状況をつくらせないために、今必要なのが日本人の意識変革です。
まず非現実的な憲法、特に9条を改正する必要があります。そして自衛隊の立場を明確にして国防力を強化する。さらに日米同盟を強化して、それを軸にアジアの民主主義国で、中国の覇権主義を跳ね返す国際包囲網をつくるのです。
そうやってがんばっていれば、これから中国国内でもいろいろな問題が起きてきます。
現在の中国経済はバブルを頼りに成長を維持してきた「アヘン依存症の経済」です。アヘンを断てばそれで終わりだし、吸い続ければますます弱っていく。
例えば、不動産バブルが続く中で、政府が引き続き金融緩和を続ければ、インフレに拍車がかかります。かと言って金融緩和をやめたら不動産バブルが崩壊します。いずれにしても、成長率が6%ぐらいに下がっていきます。
でも中国経済は体質的に低成長に耐えられません。高度成長の中でも暴動が年に8万件も起こる国ですから、低成長になれば、失業や貧富の格差など社会的矛盾が拡大し、大変なことになります。
そうした問題が顕在化したときに、中国政府は国民の不満をそらすために周辺国を攻めてくるかもしれない。
そのときにこそ、日本はしっかりと踏ん張らないといけません。国際包囲網をつくって、中国国内の共産主義政権の崩壊プロセスを加速させ、民主化、自由主義化するように促すのです。それこそが、日本が果たすべき役割だと思います。 (談)
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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