イスラム過激派組織「イスラム国」は1月31日深夜、人質として拘束していた後藤健二さんを殺害したとするビデオ映像を公開した。映像に映っているのは後藤さん本人である可能性が高いとされる。

非常に卑劣な行為であり、許されることではない。

残忍行為は許されない

「イスラム国」は今回の殺害にとどまらず、占領した町で女性の奴隷化や異教徒の虐殺などを行っている。

同組織はQ&Aサイトの中で「(ジハードとは)戦争で異教徒やイスラムの背教者を殺すこと」と説明している。しかし世界中のイスラム学者たちは2014年の9月、「イスラム国」に手紙を送り、ジハードは「信仰を守るための防衛的な戦い」と解釈すべきだ訴えた。同組織の残虐行為は、イスラム教の教えに照らしても、正当化し難いということだ。

日本はテロ撲滅に力を尽くすべき

幸福実現党は1日に声明を発表し、「残忍な行為は断じて容認できません。邦人殺害は日本に対する実質的な『宣戦布告』と捉えるべきであり、日本政府には、諸外国との連携を強化し、国際的なテロ撲滅に向けて力を尽くすよう求めます」と訴えた。

日本がテロ撲滅に積極的になることで、日本人が再度テロの標的になると恐怖する声もあるだろう。しかし、短期的な人命尊重が、長期的に大きな犠牲につながり得る、という視点も必要だ。日本は、善悪の価値判断をした上で、政治判断をしていかなければいけない。

宗教対立がある限り問題は解決しない

一方、「イスラム国」拡大の背景には、根深い歴史的問題があるのも事実だ。

振り返れば、欧米のキリスト教国が、中東やアフリカの地で好き勝手に国境を引き、民族の尊厳を奪ってきた事実がある。そうした犠牲を経験してきたイスラム教徒の恨みが存在する限り、「イスラム国」が崩壊しても、同様の勢力は出てくる。

日本は価値観の架け橋となれ

今回の事件で、中東での宗教紛争が日本にとって対岸の火事ではないことが実感された。日本は第一に、「イスラム国」の残虐行為を「悪」として阻止する必要がある。

そして第二に、「イスラム国」拡大の奥にある宗教間の対立を解消するよう、智慧を尽くさなければならない。日本はキリスト教圏・イスラム教圏のどちらにも属さない。さらに、仏教と神道の宗教融和や、独自の精神文化を維持しながら近代化を経験しており、異なる価値観を融合させる力を持っている。日本は、中東の平和に貢献する架け橋となり得る。

そのためにも、「人命尊重か正義か、キリスト教かイスラム教か……」という、複雑にからまり合った価値観を見分ける見識を磨いていかなければならない。(光)

【関連サイト】

幸福実現党 「イスラム国」による日本人人質殺害を受けて

http://info.hr-party.jp/press-release/2015/3866/

【関連書籍】

幸福の科学出版 『ムハンマドよ、パリは燃えているか。―表現の自由VS.イスラム的信仰―』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1394

幸福の科学出版 『智慧の法』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1377

幸福の科学出版 『中東で何が起こっているのか 公開霊言 ムハンマド/アリー/サラディン』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=913

幸福の科学出版 『世界紛争の真実 ミカエル vs. ムハンマド』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=95

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