大川隆法・幸福の科学総裁 法話抜粋レポート
イスラム国 日本人人質事件
日本は善悪の価値判断を示せ
「正しさからの発展」
2015年1月24日収録
中東で支配地域を広げてきた、イスラム過激派組織「イスラム国」。多くの少女を誘拐して奴隷状態においたり、人質の殺害シーンを映像で公開したりするなど、残虐性に世界が震撼している。
そのイスラム国が、今度は日本人2人を人質にとり、身代金を要求。右往左往する日本政府に対し、幸福の科学の大川隆法総裁は1月24日午後、横浜で行った法話の中で、国際社会における安倍晋三首相の認識の甘さに苦言を呈した。
安倍首相は「資金援助」の意味を理解していなかった
中東を歴訪していた安倍晋三首相は1月17日夕方(日本時間)、エジプト・カイロで、「イスラム国」対策として、イラクやレバノンなどに2億ドル(約235億円)の支援を行うことを表明。すると、20日、イスラム国が公開したビデオ画像の中で、日本人男性2人を人質にとっていることを公表。日本政府に、中東支援と同額の2億ドルの身代金を要求した。
その直後に、イスラエル・エルサレムで会見を開いた安倍首相は、地元テレビ局の記者から身代金を払う考えや人質解放のための交渉をするか否か、を尋ねられた。この時、安倍首相は、まず「人命を第一に、対応に全力を尽くすよう、指示をした」と語った後、「国際社会は、断固としてテロに屈せずに対応していく必要がある」と続けた。しかし、肝心のイスラム国に対して具体的に何をするか、しないかについては触れなかった。
大川隆法・幸福の科学総裁は24日、横浜で行った法話の中で、一連の首相の言動について触れ、 「軍事においては、やはり、兵站部門というのは非常に重要なこと。『資金援助する』ということは、『一緒に戦う』のと同じことになる」 と指摘。また、 「人道支援と言えば、軍事とは関係ないという風に見えると思っているようではあるけれども、必ずしも、それで通じるとは思わない。 (中略) 若干、理解が浅かった面はある」 と話した。
価値判断から逃げることは、国際社会で通用しない
イスラム国をめぐっては、勢力拡大に歯止めをかけるべく、アメリカが昨年8月、イラク国内のイスラム国支配地域への空爆を始め、同9月には、シリア国内への空爆に踏み切った。これにサウジアラビアやヨルダンなどの中東諸国や、イギリスやフランスなどの欧米諸国が追随。有志連合をつくり、イスラム国を明確に「悪」と断じて、掃討を進めている。
一方、イスラム国側の目には、イスラム教の国々が、イスラムの教えと対立する欧米と経済的なつながりを深めたり、軍隊を引き入れるなどしていることに対し、信仰を汚されていると映る。テロや人質の殺害をためらわない姿勢からは、欧米の価値観こそ「悪」と見ていることが分かる。
こうした国際社会で常に起きている価値観の衝突について、日本が善悪の価値判断せずに曖昧にするのは、極めて「日本的な判断」である。しかし、政治的にも、経済的にも大国へと成長した日本は、もはや、この善悪の価値判断から逃げてはならない。
この点について、大川総裁は、安倍首相の対応に、次のような苦言を呈した。
「『 (日本人の人質を) 処刑することは宣戦布告とみなす』というぐらいのことを言わなければいけないと思います。そういう価値判断を含んだメッセージを出さないと、国際社会では通用しない」「人命第一主義は、全世界の普遍の原理だと思っているかもしれないけれども、この上に、神の概念があるんだということは、知っておいたほうがいい」「やはり、言うべきことは言わなければいけないと思います。お金だけの問題にしてはいけない」
それが広がることで、人類が幸福になるか否か
では、宗教や文化など、人間の根本的な考えの違いについては、どのような形で善悪の価値判断を行えばよいのか。
大川総裁は、これについて明確な「基準」を示した。
「あることが正しいか間違っているかという判断は、とても難しいことです。ただこれを推定する方法は一つだけあります。それを究極までやったらどうなるか、を想像することです」「そういう姿勢を持った国家が広がることが、人類にとって幸福であるかどうかを考えて、それが人類を、現状よりも不幸にすると判断するなら、それは間違っているという決断を下さないといけない」
歴史を振り返っても、第2次世界大戦における、ナチス・ドイツによるユダヤ人のホロコースト(大量虐殺)や、旧ソ連における数千万にも及ぶと言われる自国民の大量粛正などを思い浮かべれば分かりやすい。現代で言えば、暴力と恐怖で国民を統制する、中国や北朝鮮などが当てはまるだろう。
世界に大きな影響力を持つ日本は、国際社会における「正しさ」とは何かを発信し続ける責任がある。それが、豊かになった国の使命であり、これからの世界が発展するために不可欠な条件である。
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ここに紹介したのは法話のごく一部です。詳しくは幸福の科学の施設で、ぜひご覧ください(下記参照)。
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