2024年10月号記事
新たな移動手段となり得るか
ライドシェアを待っている町がある
「日本版ライドシェア」の解禁で、タクシー不足問題は解消できるのか。
今年4月から4都府県の一部地域で「日本版ライドシェア」が導入された。5月からは8道府県の一部地域で始まり、その後も導入範囲は広がっている。
これまで有償で乗客を運ぶことが許されていたのは、二種免許を持ち、許可を受けたタクシー会社等のドライバーのみ。「ライドシェア」導入で、一般ドライバーが自家用車を使って有償で乗客を運ぶことができるようになった。
導入の背景には、タクシードライバー不足と高齢化がある。インバウンドなどで需要は増加しているが、タクシーが不足していてつかまらないという状況が生じていた。
タクシー会社のためのライドシェアに不満続出
とはいえ、今回導入された「日本版」は、本来の「ライドシェア」とはかけ離れたものだ。
他国で「ライドシェア」といえば、アメリカのウーバー社やリフト社に代表されるように、利用を希望する乗客と、運転サービスを提供する一般ドライバーを、スマホアプリなどを通じてマッチングさせる仕組み。決済もスマホ上で行われる。
乗客がタクシー配車アプリを使って利用する仕組みは日本版も同じだが、必要な時に利用したい乗客や稼ぎたいドライバーのニーズを満たすものではない。いわば、タクシー業界の人手不足を一般ドライバーの非正規雇用によって補う制度になっている。
日本版ライドシェアの特徴とは
自治体主体の「ライドシェア」の悲惨な現状
働き方の自由と安全を両立させる策とは
【column】使って分かるライドシェアの魅力