2024年1月号記事

日本神道の正体に迫る

「日本神道は掴みどころがない宗教」としばしば言われる。

その「知られざる一面」に踏み込む。


contents

日本神道の正体に迫る - Part 1 「妖怪」とはどういう存在か お多福・天狗・ぬらりひょん


古代から現代にかけて、私たちの生活にあまりにも密接に関わっている日本神道。

日本人は古来、人智を超えた超越的な存在を信じ、不可思議な現象や自然災害などの背景には「神」がいると考えてきた。神を「畏れ多き存在」と定義し、山や川などに神がいるという漠然としたイメージを持っている。

しかし話が複雑になるのが、「妖怪も畏れ多き存在」として信じられてきたことだ。

明治期以降、妖怪は神であるか否かで論争が起きている。民俗学の大家・柳田國男は、「昔の神々が信仰を失い、落ちこぼれた存在が妖怪である」と定義。

ところが民俗学者の小松和彦氏は、『古事記』や『日本書紀』などには「神→妖怪」だけでなく、「妖怪→神」となって祀られている例もあると指摘。日本人は妖怪も"神"の一種として認識している、と主張したのだ。

迷信を信じる人が減ったとはいえ、例えば日常生活において、赤信号で何度も止められたり、勝負に負けたりしたら、「今日はついていない」と思うこともあるだろう。しかし、何が"ついて"いないのか。実はその"つく"は「憑く」の一種だという(*1)。つまり、私たちは目に見えない存在の影響を受けていると無自覚に信じている。

現代人は無宗教が多いとも言われているものの、実は妖怪が大好きでもある。ゲゲゲの鬼太郎やまんが日本昔ばなし、もののけ姫、鬼滅の刃、ワンピース、ポケモンのように、多数の漫画、映画、小説の題材・アイデアの元には妖怪が存在する。

大川隆法・幸福の科学総裁によると、日本人は妖怪と日常的に接しているため、霊界のイメージが妖怪的なものが八割で、仏教的なものが二割ぐらいの可能性があるという(*2)。日本でメジャーな存在である妖怪世界から、日本人の潜在意識に迫る。

※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。
(*1)小松和彦著『憑霊信仰論』(講談社)
(*2)『水木しげる 妖怪ワールドを語る

 

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