2024年1月号記事

日本神道の正体に迫る

「日本神道は掴みどころがない宗教」としばしば言われる。

その「知られざる一面」に踏み込む。


contents

日本神道の正体に迫る - Part 3 日本文明の創造神 天御祖神とは


日本文明の創造神

天御祖神とは

日本に「根本神」が降臨している。

かつての権力者によって恣意的に編纂された古事記。「天御中主神が最初に登場した神」と解釈されているが、その神の起源は地方の豪族に過ぎないことは先述したとおりだ。

それだけではなく、この解釈自体が誤りではないかという見方がある。編纂者の太安万侶は天御中主神の名を明かす前に、このような出だしで朗誦している。

「臣安万侶言す。夫れ、混元既に凝りて、気象未だ効れず。名も無く為も無し。誰か其の形を知らむ」

(現代語訳:私安万侶が申し上げます。宇宙の初めに当たっては、すべての始めのモノがまずできましたが、その氣性(兆しや形)はまだ十分ではございませんでしたので、名前もなく動きもなく、誰もその形を知る者はございません)

古事記の冒頭を注意深く読まなければ気づかないが、天御中主神が登場する前に、宇宙にはすべての始まりとなるモノがあったが(=無から有を創った神の御業があった)、それを知る者はいないと示唆しており、実は創造神がいる前提で、神話が始まっていると指摘されているのだ。

この話は何も突飛なものではなく、『旧約聖書』などでも、神が混沌とした宇宙を創ったという世界観が前提にある。

 

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三万年前に降臨した根本神

日本には高度な教えがあった