《ニュース》

元米空軍将校がこのほど、政府による「UFO回収プログラム」を実名で告発し注目を集めています。

「人間以外に起源を持つ航空機」の回収に関し、秘匿されてきた広範に及ぶ機密情報を、議会と情報コミュニティの監察総監室(the Inspector General of the Intelligence Community)に渡したとのことです。

《詳細》

内部告発者となったのはディビッド・チャールズ・グラシュ氏。国防総省の情報機関である国家偵察局(NRO)に所属した経験を持ち、2021年までは同局代表として、UFOの目撃情報を調査するために新設された「未確認航空現象(UAP)タスクフォース」(現「全領域異常解決局(AARO)」)に務め、その後22年にかけては同じく情報機関である国家地理空間情報局(NGA)でUAP解析の共同責任者を務めた人物です。

グラシュ氏は科学ニュースサイトの「デブリーフ」やニュース報道局「ニューズ・ネーション」による取材で、政府が人間以外に起源を持つ航空機を回収してきたことが、長らく秘匿されてきたことを指摘しています(それぞれ5日付、6日付)。

米政府やその同盟国、防衛関連企業により、数十年間にわたって無傷のUFOから部分的な破片にいたるまで回収されており、そうした回収物から技術情報を解析する「リバース・エンジニアリング」も行われてきたこと、また、アメリカに限らず敵国も競合して地球外由来の技術取得を図っていることについて、議会に情報を渡したとのことです。

グラシュ氏はこうした重大な情報が、国民を代表する議会に伏せられていることは違法であると指摘。ニューズ・ネーションに対して、「アメリカの一般国民を対象とした、極めて非倫理的で非道徳的な、洗練された偽情報キャンペーンが展開しています」と語ったうえで、このテーマについて公共の場で語ることが、「重大な個人的リスクと明らかな職業リスク」を伴うと述べています。

実際にグラシュ氏は告発にあたって妨害工作を受けており、2021年に隠蔽の問題を国防総省監察総監室に報告したところ、そのことが外に漏れ、その後数ヶ月にわたって報復を受けたと明かしています。

その一方で、グラシュ氏のもとに情報を打ち明ける人が相次いだともいいます。元上級情報局員をはじめ、UFO回収プログラムに携わった数多くの人々が同氏を訪れたとのことです。

グラシュ氏による実名告発を、米FOXニュースや米ニューズウィーク誌、かつてエドワード・スノーデン氏の告発をスクープした英ガーディアン紙などが報じました。

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