《ニュース》

米下院議会の公聴会で、新型コロナウィルスの起源をめぐる新たな証言がなされ、注目を集めています。

トランプ政権時にCDC(米疾病対策センター)所長を務め、ウィルス学者でもあるロバート・レッドフィールド(Robert Redfield)博士が、感染対策を主導していたアンソニー・ファウチ博士によって「武漢研究所流出説」が黙殺された実態などを証言しました。米NBCや英BBCをはじめ、メディアが広く報じています。

レッドフィールド氏は政権交代と共に所長職を退いた後、2021年3月のCNNインタビューで、当時"陰謀論"とされていた「研究所流出説」を支持。それ以前の2019年9月にも武漢で感染が広がり始めていたと推定し、論争を呼びました。

《詳細》

共和党のブラッド・ウェンストラップ氏が委員長を務める特別小委員会「コロナ・パンデミックに関する特別小委員会」は3月8日、委員会として初めての公聴会を開催しました。

そこに証言者として登壇したレッドフィールド氏は、パンデミックの初期段階から、コロナが自然由来ではなく武漢のウィルス研究所から流出したと分析するも、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長(当時)と意見が異なったため、「主力から外され(sidelined)」、会議からも除外されたことを明かしました。

レッドフィールド氏の証言に対し、ファウチ氏は自身にそのような権限はなかったとし、「私が彼を除外したとする彼の論は、明確に、完全に間違っている」と反論しています(9日付FOXニュース)。

公聴会ではレッドフィールド氏のほか、21年時点から「コロナ起源をめぐる全面的な調査」を求めてきた米シンクタンク「大西洋評議会(The Atlantic Council)」のジェイミー・メツル氏や、武漢研究所流出説の可能性を論じてきた元ニューヨーク・タイムズ紙の科学記者ニコラス・ウェイド氏なども、証言者として登壇しました。

20日には、上下両院で可決された、コロナの起源に関する情報開示を情報機関に義務付ける法案が、ジョー・バイデン大統領の署名を受けて成立。徹底的な原因追究を求める機運が高まっています。

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