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米連邦最高裁は27日、新型コロナウィルス感染対策を理由とする移民制限措置について、法廷闘争が決着するまでの継続を認める暫定命令を下しました。

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「タイトル42」と呼ばれるこの措置は、トランプ政権が2020年3月に導入したもので、伝染病などを持ち込む危険性があると判断した場合に、亡命申請の審査を経ずに移民希望者を即時送還できるというものです。米ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、これまでの送還件数は約250万件に上っています。

ただ、コロナ対策というのは名目で、実際は不法移民をアメリカに入国させないために適用されている面があるため、移民に寛容な姿勢を示すバイデン政権は、同措置の撤廃を目指してきました。

今年11月中旬、連邦地裁は同措置の継続を認めない判決を下し、12月21日には措置は失効する予定でした。しかし、「国境が開かれる」と期待した多くの中南米からの移民希望者がアメリカ南部の国境周辺に急増したため、共和党優位の19州が失効停止を求めて訴訟を起こしました。

米最高裁判所が「タイトル42」を一時的に延長させる暫定命令を下したため、同措置は当面の間、継続されることが決定。19州の訴訟については、来年2月には口頭弁論が開かれ、6月末に判決が下される見通しです。

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