《ニュース》

キリスト教カトリックの総本山バチカン(ローマ教皇庁)はこのほど、中国でのカトリック教会司教の任命権に関して、2018年に中国政府と結んだ暫定合意を2年延長したと発表しました。暫定合意の延長は20年に続き、2回目です。

《詳細》

バチカンと中国は、司教の任命権をめぐって1951年に断交しており、それ以降は中国政府が任命した司教のいる政府公認のカトリック教会と、教皇に忠誠を誓う司教のいる政府非公認のカトリック教会(地下教会)が存在するという状況が続いていました。

2018年に結ばれた暫定合意の正確な条件は秘されていますが、中国側が司教候補を選び、ローマ教皇がそれを承認するものと見られています。暫定合意の締結後、6人の司教が新たに任命されているものの、中国の98教区のうち、36教区は司教不在のままだといいます。

バチカンは今回の延長について、「合意の有効な実施と両国関係のさらなる発展に向けて、敬意を持ちながら建設的な対話を継続する」としています。

中国側には、暫定合意の締結によって、バチカンとの関係を改善し、将来的には国交を回復させたいという狙いや、台湾がヨーロッパで唯一国交のあるバチカンに圧力を加えることで、台湾を追い詰めたいという思惑があると見られています。

《どう見るか》