《ニュース》

世界的に液化天然ガス(LNG)の安定調達に揺らぎが出る中、世界最大のLNG消費国である日本もエネルギー供給に大きな課題を抱えています。

加えて原子力発電所の再稼働がまだ十分には進んでおらず、今冬のエネルギーひっ迫が想定されます。そうした中で経済産業省は5日、LNGを原料とする都市ガスの需給がひっ迫した際に、政府が使用量の多い大企業に対し使用制限令を出せるようにする「ガス事業法」の改正案をまとめました。

《詳細》

5日午前の自民党経済産業部会に提示し、了承されたとのこと。3日に召集・開会された臨時国会に提出し、早期成立を目指す構えです。

経産省はこれまで、都市ガスの需要を抑制する整備化の検討を進めてきており、9月には家庭や企業に節約を呼び掛ける「節ガス」の制度案を公表。諮問機関である総合資源エネルギー調査会の有識者会議に示していました。

同制度案は、都市ガスの需給がひっ迫した地域を対象に、全家庭および企業に節約を要請し、使用量の多い大企業に対しては、個別に需要抑制を求めるというもの。その上でなお供給が足りない場合には、政府が大企業に使用制限令を出すとしていました。

経産省は「節ガス」と並列する形で9月29日、LNG輸入先であるマレーシアの国営石油大手・ペトロナスとLNG分野での協力をめぐって覚書を交わしたと発表。しかし、パイプラインの破損事故があったペトロナスは、日本に対して年末にかけての出荷削減要請をしていることが明らかになっています。

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