《ニュース》

欧米諸国でマスク着用義務の解除が進む中、マスクの着用を強く推進してきた米救急救命医師のリアナ・ウェン氏がこのほど、自身の子供にマスクを着用させない決断をしたと、自身がコラムニストを務める米ワシントン・ポスト紙への寄稿で明らかにしました。

《詳細》

ウェン氏は8月23日、「私は医師であり、これが、私の子供たちが今学年はマスクを着けない理由です」と題したコラムを公表。

その中でウェン氏は、昨冬に大流行したオミクロン株は感染力が高く、感染予防がほぼ不可能であったとした上で、「私が望んできた『コロナの封じ込め』は達成不可能であると判明した」とし、こう述べました。

「この新しい無期限の時間枠によって、緩和策の損益分析が劇的に変化したのです。1年や2年であれば、子供の行動を制限するつもりでしたが、子供時代ずっととなれば話は別です」

「これまで私たちがどれだけ注意してきたかを踏まえると、コロナを繰り返し発生するリスクとして受け入れるよう考えを変えるのは簡単ではありませんでした。しかし、新たな変異株が有する感染率の高さが意味するのは、もし我々がウィルスを避けることに目標を定めれば、ますます高い代償を支払わなければならないということです。

私はコロナを、転倒や交通事故、溺死などの日常的なリスクと同じように考えるようにしました」

ウェン氏は、自身の子供がワクチンを接種していることに言及した上で、「我々は子供たちの活動を制限する予定はないし、他の多くの親と同様、教室でマスクを着けさせない」とし、次のように続けています。

「私は、自分の子供たちが今年度、インフルエンザや呼吸器合胞体ウィルス、その他の感染症に接し得るのと同じように、コロナに接するであろうリスクを受け入れました」

「マスクの着用は私の息子の言語発達に害を与えました。子供の課外活動や社会交流を制限したことは、彼らの子供時代に悪影響を与えるでしょうし、私と夫の仕事能力の妨げにもなります」

ワクチン接種やマスク着用を強く推奨してきたウェイ氏が、コロナの封じ込めが不可能であり、感染予防を至上命題にした場合の代償があまりに大きいと語ったことで、注目を集めています(そもそも、この度の新型コロナウィルスワクチンの安全性に関して大いに議論の余地があることは、本誌10月号で詳しく報じた通り)。

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