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中国政府に批判的な活動を行う芸術家・艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏は、スイスの金融大手クレディ・スイスが、自身が運営する財団のスイスの銀行口座を閉鎖すると伝えてきたと述べました。

《詳細》

ポルトガル在住の艾氏は、「中国にすり寄るあまり、言論の自由を失ってしまったMプラス美術館とクレディ・スイス」と題した意見広告の記事を、ウェブメディア「アーネット」に投稿しました(6日付)。

その記事とロイターの取材によると、クレディ・スイスは今春、艾氏の中国での犯罪記録を理由に、財団の銀行口座を閉鎖すると伝え、9月までに資金を別の口座に移すよう求めたといいます。口座は現在閉鎖されており、財団は限られた方法でしか口座を使用できません。

この財団は、艾氏が2016年に表現の自由と芸術のために設立したもの。艾氏は、2008年の北京オリンピックで「鳥の巣スタジアム」の設計に携わった後、中国政府と衝突し、81日間拘束されました。しかし今は、中国で起訴されたり、有罪判決を受けたりしたことはないといいます。

また意見広告の記事によると、香港の国家安全維持法の影響で、香港にあるアジア最大級の現代美術館「Mプラス」が、艾氏の一部の作品を展示しないことになりました。

これらの作品は、元在中国スイス大使で中国現代アートコレクターのウリ・シグ氏がMプラス美術館に寄贈したもので、艾氏は「ウリ・シグ氏の当初の意図に反している」と批判しています。

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