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イギリス下院が、来年2月の北京冬季オリンピックについて、中国政府がウイグルでの人権状況を改善しない限り、英政府の代表への五輪招待を拒むよう、政府に求める決議を採択しました。

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イギリス下院は今月15日に、超党派の全会一致でこの決議を採択しました。決議の中では、「大量虐殺の犯罪で非難されている国で五輪は開催されるべきではない」として、ウイグル族などへの「虐殺」が終わらなければ、王室関係者や閣僚などを派遣しないよう政府に促しています。

この決議は法的拘束力がありませんが、8日に欧州連合(EU)の議会が、EU欧州委員会や加盟国に対して、同様の理由で政府代表の招待を辞退するべきという決議を採択したことに続く、議会としての意思表示になっています。

先のEU議会の決議に対し、中国政府系メディアは「欧州各国と中国の現在の関係を鑑みるに、決議が実施される可能性は極めて低い」と楽観視する社説を掲載しつつ、「香港と中国本土を標的としたあらゆる制裁は、容赦のない報復の対象となるだろう」と激しく反発していました。

イギリス下院は4月に、ウイグル族への弾圧を「ジェノサイド(大量殺害)」と認定する決議を行うなど、対中強硬姿勢を明確に示しています。また、イギリスは3月、EUやアメリカ、カナダと足並みをそろえ、ウイグル自治区での人権侵害に関与したとして中国政府当局者2人に制裁を科しました。

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