2021年7月号記事

見せ方は上手だが…

バイデンで果たして大丈夫か?


バイデン大統領率いるアメリカは、今後どのような道を歩むのか。
内政・外交の両面からバイデン政権を全方位で点検する。

(編集部 長華子、山本泉、片岡眞有子)

 

 

外交編

p.16~

対中強硬姿勢は見せかけだけ

p.17~

経済ではガチガチの蜜月関係
Interview 評論家 宮崎 正弘

p.19~

中国と戦う気なし?

p.20~

露中合体を招くバイデン最大の愚策

 

内政・経済編

p.23~

富裕層を見せしめにしてトランプの成果を帳消し!

p.24~

バイデンはウソつき!
トランプ政権は減税で繁栄をもたらした
Interview トランプ前大統領の経済顧問 アーサー・B.ラッファー

p.26~

大きな政府で共産主義に向かうのか?

 

内政・政治編

p.27~

猛スピードで進むアメリカの左傾化

p.28~

バイデン政権下で進む国境の崩壊と国民の分断
Interview アナリスト 山中 泉

p.30~

“魔女狩り裁判"が始まっている
Interview 歴史学者 ビクター・ディビス・ハンソン

p.32~

日本は自由の守護神の自覚を持て

p.33~

Column トランプは今

 

4月末でバイデン政権発足から100日が過ぎ、いよいよバイデン大統領の手腕が問われ始めている。

米大統領が世界に及ぼす影響は大きく、こと同盟国である日本にとっては安全保障に直結する一大問題だ。日本のメディアは、CNNをはじめとする米左派メディアに同調し、バイデン氏の成果を高く評価しているが、果たしてそれは正当なのか。

そもそもバイデン氏は、記者会見すらまともに開けない。

就任から65日目という"異例の遅さ"で3月に開いた初の公式記者会見では、事前に選別した記者のみ入室を許し、打ち合わせ通りの質問にカンペを読み上げて回答した。それでもなお、数字を大幅に間違える、言葉が続かず力なく濁すなど、超大国のリーダーとして「大丈夫なのか」と不安を与える姿を連発した。

大統領の義務と言える議会での方針演説に至っては、就任100日目の直前に行う始末だ。

大統領選中に数々の失言・妄言をして、「認知症疑惑」が広まったことから、これ以上"ボロ"を出さないよう、民主党陣営が囲い込んでいるのだろう。


中国の人権蹂躙を"文化の違い"と容認

表向きの対中強硬姿勢も、実態を伴わない可能性が高い。

3月にアラスカ州で行われた、米中外交トップによる初の対面会談では、新疆ウイグル自治区や香港、台湾問題などを巡って激しい応酬が繰り広げられた。これにより、バイデン政権が対中強硬であるという見方が広まったが、そもそもトランプ政権下であれば、中国がこれほど強気な態度に出ることはなかった。

トランプ政権で大統領補佐官を務めたピーター・ナバロ氏は、中国外相らと「10回以上」相対してきたが、彼らがあのように無礼な話し方をしたことはなかったと指摘している(*1)。

バイデン政権は口先だけと、中国が侮っている可能性は高い。

というのも、会談に先立ちバイデン氏は2月、就任後初となる一般市民との対話集会で、香港やウイグルでの人権蹂躙を"文化的"なものだと容認する発言をしている。さらに、中国が香港やウイグル、台湾でしていることについて「アメリカは意見しない」と習氏に伝え、習氏が「それを理解した」とまで明らかにしており、「人権外交」を掲げる民主党の政策は絵に描いた餅になる可能性があるからだ。

(*1)3月20日付FOXニュースのインタビューより。

 

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"不正選挙"の常態化を狙う!?

対中強硬姿勢は見せかけだけ

経済ではガチガチの蜜月関係 / 評論家 宮崎 正弘氏

中国と戦う気なし?

露中合体を招くバイデン最大の愚策