2021年5月号記事

台湾・尖閣が危ない!

今年、中国共産党創立100周年を迎える中国は、
「コロナ戦争」に乗じて、アメリカから覇権を奪う動きを本格化させるだろう。
その魔の手は、すぐ近くにまで迫っている。

(編集部 山本慧、竹内光風/海外取材 長華子、片岡眞有子)

二階俊博が国を過つ

日本の国防強化が遅れる大きな原因の一つは、自民党の主流派が親中派に牛耳られていることにある。

尖閣・台湾が侵略寸前だ。しかし、その危機意識が政府与党から国民に伝わって来ず、中には、「中国を刺激したくない」との理由で、国防強化に反対する政治家すらいる。その代表格が、自民党の二階俊博幹事長だ。

かつて二階氏は、尖閣問題を棚上げしてでも、日中関係を改善させることが重要と発言したほど、中国にすり寄った。多くの保守からも、「親中派の元凶」と批判されることは少なくない。

二階氏の親中ぶりを物語るエピソードは数多い。

例えば2000年当時、運輸大臣だった同氏は中国の大使に対し、「日本は中国から文化を教わり、その延長線上に今日の日本の繁栄がある。その中から、たまたま新幹線の技術を開発した」と伝え、日本の虎の子である新幹線技術を中国に輸出するよう支援した。結果、新幹線技術を中国に盗まれ、日本が国際競争で劣勢に立たされたのは公知の事実である。

同年、二階氏は友好姿勢を示すため、反日教育を本格導入した江沢民国家主席の記念碑を日本全国に建立することも計画する。自民党幹事長に就任してからは、習近平氏の出身校でもある清華大学から名誉教授の称号を受け、2017年には訪中し、「今後も互いに協力し合って(一帯一路を)進めていく」と、中国にラブコールを送った。

選挙の実質的な責任を有する幹事長の力を背景に、中国に断固たる措置を取るべしとする党内の声を封じていることはさまざまな場面で指摘されている。

こうした行動パターンを見れば、中国がいろいろな形で尖閣侵略を始め、政府が国土防衛に乗り出した時に、二階氏が横やりを入れ、事実上骨抜きにかかることはまず間違いないだろう。

 

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