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安全保障上の土地買収対策のための土地利用規制法案について、政府は目標としていた9日までの閣議決定を見送りました。

《詳細》

今回、検討されていた土地利用規制法案は、自衛隊や海上保安庁の施設や、空港や鉄道、水道・ガス・電気などの重要インフラ設備周辺1キロ程度、国境の離島などを対象とするものです。一定以上の土地を売買する際に氏名や住所、土地の利用目的などについて事前に届け出をすることを義務付け、従わない場合は罰則を科すなどの措置が盛り込まれています。

また、対象の土地については所有者や利用実態を調査し、防衛施設へ妨害電波を出す、侵入のために地下坑道を掘削しているなど不適切な行為があれば、土地の利用中止を命令できるという内容です。

自民党は「安全保障と土地法制に関する特命委員会」を制定して法案成立を推進する一方、公明党の北側一雄副代表は2月の記者会見で「重要施設や国境離島の機能を阻害する恐れのある行為を抑止することは大切」とした上で、東京・市ケ谷の防衛省周辺1キロを事前届け出の対象にした場合、「なかなかの規制だと私は思う」と指摘。慎重な議論が必要としていました。

9日付産経新聞電子版は、公明党内に「自由な経済活動を制約しかねない」との声や、「対象を広げすぎる」、罰則を科されても不審者に所有権が移ってしまうとして「私権を制約する以上は、実効性のある内容でなければならない」とする声もあると報じました。

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