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自民党は、性的少数者への理解増進のための「LGBT理解増進法案」について、広島サミット前に国会提出、あるいは成立させることを目指し、調整を急いでいます。

《詳細》

同法案は、自民党を含む超党派議員連盟を中心に2021年にまとめられたものです。

今年2月の元首相秘書官のLGBTに関する発言などを受け、岸田文雄首相が同月に法案の提出準備を指示しています。

特に5月19日から広島で開幕する主要7カ国首脳会談(サミット)では、日本が議長国になり、ジェンダーも議題となります。その中で、性的少数者の人権保護に取り組んでいる姿勢をアピールする狙いもあります。

4月28日、自民党内で「性的マイノリティに関する特命委員会」などの合同会議が開かれ、本格的な議論が始まりました。

現在、争点になっているのは、法案の中の「差別は許されない」という文言。党内保守派が「定義がはっきりしない言葉を法案に入れるべきではない」などと反対しています。そこで、この文言を「不当な差別はあってはならない」と、より緩やかな表現に修正して合意をとりつけ、与党案として国会に提出する案もあると報じられています。

なお、野党からは「理解増進のみならず、差別禁止に踏み込むべき」との声も上がっています。

合同会合はゴールデンウィーク明けの5月8日から再開され、サミットまでの進展が目指されています。

同法は罰則規定のない理念法ですが、LGBTQ推進の風潮を後押しし、同性婚法制化などへの足がかりになることも予想されます。

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