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2020年12月号記事

今度こそ本当にヤバい中国

中国共産党の独裁体制が崩れ去る時が、ついにやって来た。

(編集部 山本慧、山本泉、片岡眞有子)


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今度こそ本当にヤバい中国 Part 2 「半導体戦争」で中国は途上国に逆戻りする


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"半導体戦争"で中国は途上国に逆戻りする

トランプ政権が仕掛ける新しい戦争により、中国への投資は不良債権化する可能性がある。

中国製品への関税、5Gからの中国排除、中国共産党高官への制裁など、トランプ米大統領は矢継ぎ早に中国への攻撃を仕掛けている。

こうした網羅的な戦略に加え、実は、超ド級の"半導体戦争"によって中国が追い込まれている。

中国の半導体技術は時代遅れ

トランプ政権は昨年5月から今年8月にかけて、中国のIT大手・華為技術(ファーウェイ)に向けた半導体の輸出規制を強化した。事実上の禁輸リスト(エンティティー・リスト)に同社を加え、アメリカの技術が使われている半導体の輸出を禁止。外国企業に半導体の製造を委託しているファーウェイは、スマホに不可欠な部品が手に入らなくなり、同社の2021年のスマホ出荷台数は7割落ちると予測されている。

18年には、同じく中国のIT大手・中興通訊(ZTE)がアメリカ製の部品購入を禁じられ、1カ月足らずで事実上の経営破綻に追い込まれたことは記憶に新しい。ファーウェイも同じ運命を辿る可能性が高い。

半導体の入手ルートを絶たれたファーウェイは、中国の半導体受託生産大手「中芯国際集成電路製造(SMIC)」に望みを託すが、トランプ政権は同社にも輸出規制をかけた。

今後、米企業が半導体の製造装置や原材料を同社に供給する際には、米商務省から事前の許可が必要になる。だが、商務省が許可を出す可能性は低く、事実上の禁輸措置だと指摘されている。

SMICは中国では最大手だが、世界の大手企業と比べると、技術は3世代ほど遅れているとされ、アメリカ製の半導体製造装置がなければ、ハイテク技術に使える半導体はつくれない。

次ページからのポイント

「現代の石油」の供給を絶ち中国産業を破壊

中国製スマホを買うのはやめよう
家族の個人情報が中国に筒抜け

爆買い観光客は戻ってこない
~無理に呼び込めばアメリカの逆鱗に触れる!?~