写真:サバクトビバッタが大量発生している様子。画像はFAOより。

《本記事のポイント》

  • 国連の機関が、アフリカ東部とイエメンで約4200万人が食糧危機に直面と指摘
  • 朝日新聞は、なぜか中国のバッタ問題をスルー
  • 共産党の隠ぺい体質を見破り、真実を白日のもとにさらすことが、本来のマスコミの使命

新型コロナウィルスが蔓延する中、世界20カ国以上の第一次産業に被害をもたらしているサバクトビバッタ。発展途上国は、コロナとバッタのダブルパンチを受け、国連食糧農業機関(FAO)は、アフリカ東部とイエメンで約4200万人が食糧危機に直面する恐れがあると指摘している。朝日新聞が6日付朝刊の一面で報じた。

同記事によれば、パキスタンでは今年、全土約160地区のうち、少なくとも30地区がサバクトビバッタの群れに襲われ、同国の雇用の4割以上を支える農業が大打撃を被った。さらに「世界の食糧庫」と呼ばれるアルゼンチンや、ブラジルにも、別種となるトビバッタが大発生しており、小麦や大豆などの穀物供給に悪影響が出ないか懸念されているという。

食糧不足は、十分な稼ぎを得られない発展途上国の人々をさらなる貧困へと突き落とし、世界的な問題としてクローズアップされている。FAOは、エチオピアなど21カ国に対し、バッタを標的とした殺虫剤を配布するなどの支援を行っている。

朝日新聞は、なぜか中国のバッタ問題をスルー

バッタの被害は、アフリカや中東、南米にとどまらず、中国でも広がっている。

例えば、トウモロコシの一大産地である中国南部の雲南省では、黄色角竹バッタと呼ばれるバッタが作物を食い荒らしている。8月中旬時点で、同省の11の県と106平方キロメートルの土地で被害が報告されたという。雲南省は26日に虫害はなくなったと勝利宣言を行ったが、その信ぴょう性を疑う声が挙がっている。

さらに中国東北部では、自生するバッタが大量発生している。同地域では今春干ばつが続き、農作物の生育が懸念されていた。しかし6月になると、干ばつから一転して大雨が降り、洪水が発生。すると、バッタの大群が形成され、作物に被害が広がっているのだ。

中国政府は食糧不足に陥ることを懸念したためか、アメリカから過去最大規模のトウモロコシなどを輸入し、食糧供給が安定していることを強調している。だが、中国各地の農地で甚大な被害を与えた可能性がある洪水問題も考えると、中国政府はウソの発表を行っているのではないかと指摘されている。

にもかかわらず、朝日新聞は中国に忖度しているためか、今回の記事で同国のバッタ問題を追及しなかった。かつて、数千万人を餓死させた大躍進政策でも、当時の中国政府はウソの発表を重ね、多くのマスコミが騙されてしまった。本来、共産党の隠ぺい体質を見破り、真実を白日のもとにさらすことこそ、マスコミの使命ではないだろうか。

(山本慧)

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