左から、民主中国陣線副主席の王戴氏、世界南モンゴル会議代表のショブチョード・テムチルト氏、香港民族党創設者の陳浩天氏。

《本記事のポイント》

  • テムチルト氏は「日本がアジアの平和を守る責任を果たすことを望んでいる」と指摘した。
  • 陳氏は「操り人形である香港政府は、倒さなければならない」と主張した。
  • 日本は「東洋の盟主」として、「正義」を世界に発信する国に生まれ変わるべき。

世界南モンゴル会議代表のショブチョード・テムチルト氏、民主中国陣線副主席の王戴氏、香港民族党創設者の陳浩天氏が28日、G20大阪サミットの開催に合わせ、東京都内で記者会見を行った。

テムチルト氏は、「南モンゴルは中国当局による弾圧によって、言語や宗教などを失ってしまいました」と語り、「中国政府は南モンゴルだけを植民地にしたいのではなく、経済によって世界中を植民地にしたいと思っています。中国共産党に対抗しなければなりません」と強く訴えた。

また日本に対しては、「私は日本がアジアの平和を守る責任を果たすことを望んでいます。特にアジア諸国、台湾と提携して、人々の権利を守り、中国政府に対抗してほしい。日本は、中国に対抗するために他の国と協力できるはずです」と求めた。

天安門事件後に日本に亡命し、中国民主化の活動をしてきた王戴氏はこう指摘した。

「習近平氏が中国共産党のトップになってから、中国国民の言動は制限されて、不便になりました。中国共産党が政治的に平和をもたらすとは思いません。中国が各国に経済的にメリットをもたらすとしても、中国国内では国民の権利が守られていません」

「香港は、中国の植民地」

香港国民党の創立者である陳浩天氏は、「中国は人道に対する罪を犯している」と訴えた。

また陳浩天氏は、逃亡犯条例の改正案が成立した場合、香港を通過しただけでも、中国当局に逮捕される可能性があると指摘。「紛れもなく、植民地の体制だ」と述べた。

陳氏は、「香港の独立」を訴えて、2016年に香港国民党を創立したが、香港で初めて政治的な理由で選挙に出る権利を剥奪された人物だ。同党も違法とみなされた。

陳氏は、中国による植民地化について、こう述べた。

「中国は、香港に過去建設されたものをすべて破壊し、手に負えないほど多くの中国移民を送り込み、いわゆる"合法的"な手段で、人口を強制的に入れ替えることにがむしゃらに取り組んできました。私たち香港人は、かつて『建造した人々(イギリス人)』に植民地化されましたが、今は『破壊する人々(中国人)』に植民地化されています。まるで異常な疫病のように、中国の入植者たちは悲しみ以外何も残しません。中国の犠牲者は、アジア全土に広がっています。南モンゴル、東トルキスタン、チベット、すべてが中国の植民地化の標的です。特に東トルキスタンのウイグル人は、強制収容所で残酷な扱いを受けています。中国が人道に対する罪を犯していることは明らかです」

「香港が、不死鳥のように生まれ変わることを望んでいる」

また陳氏によると、今や香港では、民主主義を求める声はあまり聞かれなくなったという。なぜなら、香港人が、香港の政治体制は完全に中国の手に渡ったと気づいたからだ。

陳氏は「私たちの統治権が北京にある限り、香港での民主主義の希望はありません。不幸なことに、喜んで中国の手助けをしている香港人がいます。香港の行政長官は、他の最高幹部と共に、間違いなく『最大の犯罪者』です。『平和的に抗議している人々を圧倒的な力で抑圧せよ』という行政府の命令を喜んで実行した香港警察は、明らかに共犯です」と語る。

そして陳氏はすべての国々に対し、「中国と香港の両方に制裁を科す」ことを要請した。

特に人権を踏みにじったり、人道に対する罪を犯したりした香港当局者とその家族に対し、中国以外の居住権を無効にし、海外資産も凍結するべきだと訴えた。現在アメリカ議会で議論されている「Hong Kong Human Rights and Democracy Act(香港人権民主主義法)」は、まさにそれを実行するものであり、可決されることを望んでいると述べた。

陳氏は、最後にこう締めくくった。

「香港の人々は、誠実で優しい人たちです。しかし、私たちを統治する体制は、中国を統治する体制と同じであり、文明と自由に逆らう体制です。香港政府は、親切さと香港人の両方、そして香港そのものを破壊するのに熱心なので、気をそらさないでください。操り人形である香港政府は、北京に科されているものと同じ制裁で、倒さなければなりません。文明化された自由と野蛮な権威主義なら、私は前者を選びます。最後に、香港が不死鳥のように未開の廃墟から生まれ変わることができ、世界も中国の圧迫的な支配から逃れることができることを望みます」

記者会見で分かる通り、中国や香港、南モンゴルの人々は、「自由」を求めている。

日本の政治家は、ウイグルやチベット、南モンゴルなどでの人権弾圧や、香港での逃亡犯条例改正の反対デモについて、口をつぐんでいる。来春には、習近平国家主席を国賓として招くことも決まった。

日本は独立国家として、「数百万、数千万人の自由を奪う中国共産党政権の行為は、許しがたい」とはっきり指摘しなければならない。日本は「東洋の盟主」として、「正義」を世界に発信する国に生まれ変わり、アジアの自由と民主主義、信仰を守るべく、獅子奮迅の働きをすることが求められている。

(山本泉)

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