日本では「ES細胞の混入によるねつ造だった」として否定された、小保方晴子氏のSTAP細胞の研究。しかし、海の向こうではその可能性にかけて研究を続ける研究者がいるようだ。
3月に発表された独ハイデルベルグ大学のガンの研究チームの論文が「STAP細胞を再現した」ものであると、ネット上で話題になっている。この論文の筆頭著者は、キム・ジヨン氏。2014年から韓国政府の支援で海外留学プログラムに参加している、博士課程在籍中の女性だ。
日本は、新発見につながる研究を潰し、他国に成果を譲り渡すことになるのだろうか。
「STAP細胞の研究は現在も興味深い」
研究チームは、人間のガン細胞が、人体の細胞よりも酸性が強いことに注目し、研究を行っていた。そこで、細胞を酸性の液につけるなどストレスをかけて多能性幹細胞をつくるSTAP細胞の研究に注目したというのだ。
この論文では、小保方氏の論文について「撤回され、ES細胞の混入があったことが明らかになった」と触れつつ、「しかし、酸性条件を変えることで多能性細胞ができるというのは、ガン幹細胞の研究においては、現在も興味深いといえる」と評価。撤回された小保方氏らの論文や、理化学研究所などが公開した実験手順を参考に、ヒトのガン細胞に酸性の溶液で刺激を与える実験を行ったという。
今回の細胞はガン細胞であり、小保方氏の論文で使用した細胞とは種類が異なる。そこで、薬品を一部を変更するなど調整した結果、多能性を獲得した細胞と死滅した細胞との両方が現れたという。いわゆる「STAP現象」が起きたということだ。
研究チームは今後、多能性を得た細胞と死滅した細胞と、両者の違いが何で生じたのかを探っていきたいと結論付けた。謝辞には、「理研の故・笹井芳樹博士に哀悼の意を捧げます」との言葉が記されている。
STAP抹殺のお粗末さ
今回の研究は、STAP細胞の作製の決め手とされた「キメラマウスの作製」までは行っていないが、小保方氏が研究で担当したSTAP現象については再現している。論文が撤回されたにもかかわらず、可能性を見出して研究する科学者がいるのだ。小保方氏を追いやった日本の研究者やマスコミは、この状況をどうとらえるのだろうか。
小保方氏は1月に出版した手記『あの日』で、論文撤回をめぐる不条理について告白。3月にはホームページを開設し、「全ての人にとって利益をもたらすSTAP細胞の研究が、科学の最前線に戻ることを心から祈っている」として、全世界の研究者に向けて情報提供を続けている。
日本の科学界が小保方氏に対する見方を変えるか、それとも日本発の世界的な発見を他国に譲り渡してしまうのか。時間は残されていない。
(河本晴恵)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『小保方晴子博士守護霊インタビュー』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1493
幸福の科学出版 『小保方晴子さん守護霊インタビュー それでも「STAP細胞」は存在する』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1144
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