23日に投開票を控える東京10区と福岡6区の衆院の補欠選挙で、またしても偏向報道が行われている。

東京10区からは、若狭勝氏(自民党)、鈴木庸介氏(民進党)、吉井利光氏(幸福実現党)の3人が立候補している。また、福岡6区からは、鳩山二郎氏(自民党系無所属)、蔵内謙氏(自民党系無所属)、新井富美子氏(民進党)、西原忠弘氏(幸福実現党)の4人が立候補している。

本誌編集部は、衆院補選に関する5大紙の選挙報道を調査した。調査期間は10月11日の夕刊~15日の朝刊。3人の候補を紹介する記事の文字数をカウントして報道の割合を算出した。

すると、東京10区からは3人しか立候補していないにもかかわらず、幸福実現党の吉井氏を紹介する記事は、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞はたったの2%、朝日新聞は5%、産経新聞は7%だった(図)。

また、すでに本欄でも伝えてきたが、告示日から2日間のテレビ局の報道時間は、若狭氏が45%、鈴木氏が47%に対し、吉井氏はわずか8%であったことも分かっている(選挙報道を糺す会の調査)。

その内容は、若狭・鈴木両氏の政策や活動を詳しく報じる一方、吉井氏については短く触れるだけ。福岡6区の方にいたっては、幸福実現党の西原氏は名前しか紹介されていなかった。

東京10区の選挙の模様を伝える記事の冒頭では、「衆院補選は自民党と民進党の一騎打ちになる」と報じているものもある。

さらには、告示日である11日付読売新聞の夕刊では、自民党の若狭候補・民進党の鈴木候補と、応援演説に来ていた小池百合子氏・蓮舫氏の写真が掲載されたが、吉井候補の写真はなかった。しかし、どの写真より大きく掲載されたのは、吉井候補の演説を聞く聴衆だった(写真)。

立候補者を黙殺する「報道しない自由」

こうした報道は、暗に「与党の若狭氏かと野党の鈴木氏の2人のどちらかを選んでください」と、読者を誘導している。積極的に情報を集めない有権者にとって、吉井氏は存在していないことになるだろう。これでは、とても「公正な報道」とは言えない。

国民の「知る権利」を侵し続けているマスコミに対して、国民は声をあげるべきだ。

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