《ニュース》
中国共産党は9月15日から「出入国管理に関する国務院規定」を施行し、中国人の出国や、外国人の入国に関する規制を厳格化します。それに先立ち、一般市民を含む多くの中国人が、強制的な帰国や、パスポートの没収などで、すでに出国できない状況に陥る事例が多発しています。
《詳細》
BBC中国語版(8月20日付)によると、今年6月、マレーシアを旅行していた25歳の中国人男性の李明さん(仮名)は、突然、中国の警察署から電話がかかってきて、「3日以内に中国に戻らなければ『詐欺犯』と見なして戸籍登録を抹消する」と脅迫されました。
李さんの家族が、警察署に事情を問い合わせると、警察は強硬な態度で「海外にいる人は全員、帰国させる」と話したといいます。犯罪歴など何もなく、状況が読み込めなかった李さんに対し、警察は「帰国しても、2日後には再び出国できる」と約束しました。
ところが帰国した翌日、李さんの家に7~8人の警察官が訪れました。警察官は海外滞在中の旅程を尋問しながら、李さんの写真を撮影。「戻って来たのだから、もう海外に行くべきではない」「中国は素晴らしい国だ。海外に行くのは安全ではない」などと告げました。李さんは「まるで犯罪者のように扱われた」と述べています。
その後、李さんは香港・マカオ旅行許可証を申請するために、入局管理局に行った際に、職員から「通信詐欺の疑いのある高リスクの人物」としてブラックリストに登録されており、出国できないと告げられました。
李さんは出国制限の解除を求め、2カ月にわたり、数日おきに警察署に通い、資料を繰り返し提出し、6000元を払って弁護士を雇うなどした結果、8月17日に「ブラックリストから外す」という連絡を受けました。しかし、未だに自由に出国はできない状況だといいます。
BBCの調べによると、少なくとも2021年から、海外から帰国した人物がブラックリストに登録されて出国できなくなるケースが複数報告されています。しかも、中国人には自分で出国制限の対象になっているかを確認する手段がなく、実際に出国しようとした時に初めて知るケースが一般的です。公務員や国有企業の従業員から、一般市民に至るまで、パスポートの没収や、ブラックリストへの登録などの理由で多くの人々が出国できない状況に陥っています。
こうした中、9月15日から施行される出入国管理規定は「史上最も厳しく、最も不透明」と指摘されており、さらに当局による恣意的な出入国制限が強まる懸念が高まっています。
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