福島原発事故 人体被害の小ささをもっと大きくアピールせよ
2012.09.17
福島県はこのほど、福島第一原子力発電所の事故による影響調査のひとつとして、事故当時18歳以下だった子供たちに行った甲状腺検査の結果を公表した。
約36万人に行った検査のうち、8月末までにまとまった約8万人の検査結果によると、約0.5%の425人に5.1ミリ以上のしこり、または2.1ミリ以上の液体の入った「のう胞」が見つかり、2次検査を要した。さらに、そのうちの38人で2次検査が終わり、1人が甲状腺がん、あとの37人が良性腫瘍とされた。
しかし、ここで重要なのは、放射線被曝で甲状腺がんが発症することがあったとしても、それは被曝から4~5年経過した後に起きるという点だ。つまり、今回1人から甲状腺がんが見つかったが、それは福島第一の事故によるものとは言えないのである。
また今回、別途、県民の事故後4カ月後の県民9万7千人の外部被曝線量を推計したところ、10ミリシーベルト以上が18人、5~10ミリシーベルトが44人、残りは5ミリ未満だった。この結果を12カ月に換算すると、最も被曝を受けた人で年間30ミリシーベルト程度になる。
岡山大学大学院(放射線健康科学)の山岡聖典教授は、1986年のチェルノブイリ原発事故当時、100ミリシーベルト以下の被曝者には、健康被害がなかったと指摘している。これらを考え合わせると、事故後4~5年経過してから再び検査をしても、被曝による甲状腺がんが見つかる可能性はきわめて低いと言える。
あれだけの大地震、大津波を受けてもなお、人体にほぼ影響を与えていないという事実は、むしろ日本の原子力技術を誇るべきであり、海外へのアピールポイントにすべきだろう。(居)
【関連技術】
2011年9月号記事 「放射線は 体にいい」は本当か?─マスコミが取り上げない「ホルミシス効果」Part1
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2479
2011年10月10日付本欄 メディアは県民の不安を"楽しんで"いるのか? 福島で36万人対象に甲状腺検査
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