ナフサ不足は買い占めが原因だった ─ 「日本が詰む」と恐怖を煽るメディア報道に注意
2026.05.29
《ニュース》
イラン紛争が始まって以降、マスコミの一部が連日、「ナフサ不足で日本は6月に詰む(行き詰まる)」などといったエネルギー危機を報じてきましたが、実際には「そうならない可能性が非常に高い」ことが明らかとなりました。
《詳細》
プラスチックなどの原料となる原油由来のナフサについて、日本は国内消費量の約4割を中東から輸入してきました。そのためイラン紛争が勃発したことを受け、「間違いなく今の状況が続いたら日本は6月に詰む」という見方のように、一部のマスコミが深刻な供給不足が起きると報じてきました。
しかし実際には、そうした"不幸の予言"は外れる可能性が濃厚です。
紛争が始まって以降、政府はアメリカやアルジェリアなどから、ナフサの代替調達を進めてきました。財務省が5月28日に公表した4月の貿易統計によると、輸入量に占める中東の割合は以前の70%から4月には30%にまで大きく落ち込んだものの、輸入量の合計は12%減にとどまっており、他の地域からの調達で相当な部分を穴埋めできていることが明らかとなっています。
また、政府はナフサ由来の化学製品の調達拡大も進めてきました。供給不足の深刻化が懸念されていたインクなどの原料となるトルエンについては、2025年の年間輸入量の約3倍を確保するなど、調達拡大が進んでいます。
さらに日本企業は、これまで輸出してきた石油製品の余剰を国内供給に充てることで、需要を補っています。これらによって、政府は「ナフサ由来の化学製品を含む石油製品は、来年以降まで供給継続が可能」との見通しを示しています。
三井化学の市村聡社長は5月27日、ナフサを分解してエチレンなどを製造する装置(クラッカー)の稼働率について、7月以降には8割超を見通せるとし、調達源の「選択肢は結構ある」としています(5月28日付ブルームバーグ)。
しかし、一部の業者ではナフサ不足が生じています。その原因について、高市首相は21日、日本全体としての総量は足りているものの、不安を覚えた一部のメーカーなどが自発的に供給量を絞ったり、大量注文を行ったりしたために、流通過程で"目詰まり"が起きていると説明しています。
《どう見るか》
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内
YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画