ブルガリア総選挙で親露派が圧勝 ─ 東欧ではEUのウクライナ支援に国民の不満が爆発

2026.04.21

写真:ブルガリアの首都ソフィアにあるアレクサンドル・ネフスキー大聖堂(ブルガリア正教会)

《ニュース》

東欧ブルガリアで19日に投開票された総選挙で、親ロシア派のラデフ前大統領が率いる野党「前進するブルガリア」が圧勝しました。

《詳細》

ブルガリアでは、2025年12月に、増税と社会保障費の引き上げを含む2026年度予算案や汚職問題に対し大規模な反対デモが起き、親EU(欧州連合)派の首相が率いる前政権が崩壊。これを受け、主に儀礼的な役割を担う大統領職にあったラデフ氏は1月、新党「前進するブルガリア」を立ち上げ選挙戦に出馬しました。

同党は、定数(240)のうち131議席を獲得する見込みです(5月21日時点)。短命な連立政権が続いてきたブルガリアにおいて、約30年ぶりに単独過半数を握る政権が生まれたことで、政治的な安定がもたらされるという期待が集まっています。

同党を率いるラデフ氏は、ロシアのクリミア併合に対し、EUが2016年に行った対露制裁に反対するなど、以前から制裁に懐疑的な立場を取っており、大統領時代からウクライナへの軍事支援提供に反対してきました。また、EUの脱炭素政策は「ナイーブだ(考えが甘い)」と一蹴し、ブルガリアへのユーロ導入を阻止するための国民投票を求めるなど、EUの方針に反対する姿勢を取ってきました。

ラデフ氏は選挙期間中、「ロシアに対する制裁は具体的な利益をもたらさず、ロシアとEUの経済に害を与えるだけだ」「『クリミアはロシア領だ』という主張は現実的な立場」と述べ、ロシアとの関係改善や、物価高に対応するためにロシア産石油・ガスの欧州への自由な流入の再開を訴えてきました。19日の投開票日には、「ロシアとの実利的な関係を発展させていきたい」とし、EUに対しては「道徳的なリーダーになろうとする野心にとらわれている」と非難しました。

これに対しEUの欧州議会の議員らは、「地理的にロシアに近く、ヨーロッパの最前線に位置するブルガリアは、ウクライナを支援する重要な弾薬生産国の一つであり、ラデフ氏はその供給にリスクをもたらす可能性がある」「(ハンガリーの)オルバン氏が敗北してからわずか1週間後、EUに第二のトロイの木馬が出現しないように万全を期さなければならない(関連記事:「ハンガリー議会選でオルバン氏与党が大敗」)」などと述べ、警戒を強めています。

EUの最貧国であるブルガリア一国で、ハンガリーのオルバン氏のように強硬な反EU路線を取る可能性は低いと予想されているものの、ロシアへの追加制裁やウクライナ支援に協力しないなど、EUの足並みを鈍らせる動きを取ると見られています。

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タグ: 増税  EU  デモ  汚職  ウクライナ支援  ブルガリア  クリミア併合  親露派  選挙 

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